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パ・リーグ6球団 過去10年の成功ドラフトは?

 

いよいよ10月25日に迫ったドラフト会議。「運命の日」を前に、過去10年におけるパ・リーグ6球団の“成功ドラフト”をピックアップしていこう。各球団の“今”につながったドラフトとは――。

埼玉西武ライオンズ 2014年入団ドラフト


西武の2014年ドラフト1位・森友哉


 10年ぶりのリーグ優勝を果たした今季のラインアップに2013年秋のドラフトで1、2位指名された2人が名を連ねる。森友哉(大阪桐蔭高)と山川穂高(富士大)だ。強打の捕手として前年の春夏甲子園を連覇した森を1位で見事に一本釣りし、次代を見据えて長距離砲の山川も2位で獲得。5年目の今季、森は主戦捕手として74試合にスタメンマスクをかぶり、山川も四番に座って47本塁打を放ちタイトル奪取した。この2人は仲が良く、切磋琢磨してここまで成長を果たした。この年のドラフトは4位に伸び盛りの金子一輝(日大藤沢高)、6位には控え捕手として存在感を発揮している岡田雅利(大阪ガス)もおり、野手は大成功だった。

福岡ソフトバンクホークス 2011年入団ドラフト


ソフトバンクの2011年ドラフト1位・柳田悠岐(右)


 支配下指名選手で現在チームに所属しているのは、ドラフト2位の柳田悠岐(広島経大)のみ。しかし、その柳田を獲得したことで今のソフトバンクの強さがあるといっても過言ではない。ほぼ無名だった当時から、代名詞の“フルスイング”は目を見張るもので、王貞治球団会長の「この中で一番飛ばすバッターは誰?」という一言が指名の決め手と言われている。さらにこの年で注目すべきは育成指名選手だ。4位・千賀滉大(蒲郡高)、5位・牧原大成(城北高)、6位・甲斐拓也(楊志館高)と、いまや一軍戦力として欠かせない存在の選手たちが下位指名で並ぶ。ソフトバンクのスカウティング力と育成力の強さをあらためて感じさせる年である。

北海道日本ハムファイターズ 2015年入団ドラフト


日本ハムの2015年ドラフト1位・有原航平


 9人を指名した2014年秋のドラフト。多士済々な顏ぶれが名を連ね、見事に上位指名選手が現在の主力へと成長している。1位の有原航平(早大)は入団1年目から新人王を獲得してエース格に成長。2位の清水優心(九州国際大付高)は正捕手候補として一軍に定着し、4位の石川直也(山形中央高)は今シーズンからクローザーを任されている。ほかにも3位入団の淺間大基(横浜高)、7位の高濱祐仁(横浜高)も着実に成長を見せ、来シーズンの本格的なブレークも期待される。即戦力の大学生、将来性ある高校生をバランスよく指名した2014年秋。ファイターズの根幹を支える「スカウティングと育成」が見事に結果にも表れた会心のドラフトだった。

オリックス・バファローズ 2016年入団ドラフト


オリックスの2016年ドラフト1位・吉田正尚


 上位指名3人が一軍に定着しているのが2015年秋のドラフトだ。高橋純平(県岐阜商高)、小笠原慎之介(東海大相模高)らの高卒投手が1位で競合する中、大学日本代表の四番・吉田正尚(青学大)を一本釣り。1年目から開幕スタメンに名を連ね、今では四番に成長した。2位は近藤大亮(パナソニック)。昨季は55試合、今季も52試合登板とブルペンに欠かせぬ存在となり、3位の大城滉二(立大)も内・外野の複数ポジションと上位、下位とあらゆる打順を担う。下位指名でも守備固め要員の鈴木昂平(三菱重工名古屋)、右の長距離砲で今季、満塁弾も放った杉本裕太郎(JR西日本)らも獲得。3年前のドラフトから誕生している主軸選手が、チームの若返りを物語る。

千葉ロッテマリーンズ 2014年入団ドラフト


ロッテの2014年ドラフト1位・石川歩


 今季、2013年秋のドラフトが成功だったことがあらためて証明された。1位では巨人と競合の末、新人王に輝き現在も先発ローテの中心となっている石川歩(東京ガス)を獲得。6位の高卒右腕・二木康太(鹿児島情報高)は昨季まで2年連続7勝、今季は4勝に終わったが未来のエースを期待されるまでに成長を遂げている。そして5位の井上晴哉(日本生命)が今季、5年目にして完全覚醒。打率.292、24本塁打、99打点と“真のカモメの四番”となった。3位の三木亮(上武大)も欠かせぬバイプレーヤーとなっており、14年入団組が投打でチームの骨格を形成している。

東北楽天ゴールデンイーグルス 2014年入団ドラフト


楽天の2014年ドラフト1位・松井裕樹


 高校生では松井裕樹(桐光学園高)が目玉と言われていたが、予想どおり5球団が競合した。抽選で見事に当たりクジを手にした楽天は、この年に球団初の日本一を成し遂げ、まさに“楽天イヤー”となった。松井裕樹は入団後、2年目からクローザーに抜てきされると、3年連続30セーブ以上の活躍を見せる。また、下位でも2位の内田靖人(常総学院高)、4位の古川侑利(有田工高)が一軍戦力として台頭しており、これらの高卒トリオが新たに看板を背負っていくことになりそうだ。

写真=BBM
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