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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

ソフトバンク・デスパイネに学ぶ厳しい戦いへの挑み方

 

10月30日の日本シリーズ第3戦(ヤフオクドーム)の6回、チーム1号となる3ランを放ったデスパイネ


 10月27日、平成最後の日本シリーズが幕を開けた。セ・リーグ3連覇を成し遂げ、チーム一丸で悲願の日本一に向かう広島と、クライマックスシリーズ(CS)でパ・リーグ覇者・西武を打撃で圧倒し、2年連続の日本一を目指すソフトバンク。69年の歴史の中で初顔合わせ同士の対戦だ。

 CSの戦いぶりを見た限り、どちらも勢いに乗っている。それだけに戦前から厳しい戦いが予想されたが、早くも第1戦からある意味予想どおりの展開となった。

 延長12回、4時間38分にも及ぶ熱闘は、32年ぶりの引き分けに。第2戦(10月28日)は先発・ジョンソンの好投に上位打線が繋がりを見せ、広島が勝利した。そして、戦いの舞台を福岡に移した第3戦(10月30日)はソフトバンクが打ち合いを制した。これで1勝1敗1分け。無事(!?)広島に戻ることも決まり、周りからは「第8戦、第9戦」なんて声も聞こえている。

 どこまで続くか分からない出張に不安を覚えるが、こんなときこそ大切なものを、第3戦のヒーロー・デスパイネが教えてくれた。

 6回二死一、二塁から、広島・岡田明丈の151キロのストレートを逆らわず右翼スタンドへたたき込んだ。勝負を大きくたぐり寄せた豪快な3ランにヤフオクドームもベンチも沸いた。試合後、デスパイネは「ホームで今日は気持ちよかったよ」と喜んだ。

 日本シリーズでもいつもどおりを貫くデスパイネ。「レギュラーシーズン+7試合という感覚」で挑んでいる。また、休養日だった第3戦前日の29日は、家でキューバ料理を作り、ミランダ、グラシアルに振る舞ったのだという。こちらもいつもと変わらないオフのひととき。なるほど、大舞台だからといって何かを変える必要はない。意識すれば逆に気負い過ぎてしまう。平常心とリフレッシュが好結果をもたらすのだ。

文=菅原梨恵 写真=毛受亮介
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