チームに欠かせない外国人選手。その働きぶりがチーム成績に直結する。今季、パ・リーグ各球団の外国人選手はどのような活躍を見せ、そして来季の契約状況は? 球団別に見ていこう。 福岡ソフトバンクホークス
日本一のチームは、外国人選手もすごい。育成選手のコラスを除き、すべて一軍で確かな戦力となっている。今季は
サファテが開幕直後に右股関節を痛め手術、復帰は叶わなかったが、それでも外国人枠に悩まされるほどだった。特にシーズン途中に加入したA.ミランダは昇格後すぐに先発ローテ入りし、シーズン終盤の快進撃を支えた。先の日本シリーズでは毎試合ベンチ入りメンバーを入れ替えられることもあり、フル回転の起用。第3戦、第4戦で
デスパイネが2試合連続弾、V決定の第6戦では
バンデンハークが好投し、
グラシアルが貴重な追加点となる本塁打を放った。来季も全員残留の見通しで、開幕時の外国人枠争いが熾烈を極めそうだ。
埼玉西武ライオンズ
10年ぶりの優勝へ、大きな力となったのは途中加入の2人の右腕だった。5月にBCリーグ富山からチームの一員となったヒースはクローザーを務めていた
増田達至の代わりに8月から最後を締める役割に。同月に8セーブ、防御率0.00と安定感を発揮し、チームを優勝へ加速させた。7月末に緊急加入した
マーティンもセットアッパーとして奮闘。欠かせない戦力となった2人はCSファイナル終了後、すぐに来季の契約を結んでいる。今季9本塁打に終わった
メヒア、終盤好投を見せた
郭俊麟には来季、1年を通しての活躍に期待。4勝を挙げたウルフは引退も視野に入れ、来季は未定。ワグナーは9月下旬にウエーバー公示の手続きを申請され、
カスティーヨの来季契約は微妙だろう。
北海道日本ハムファイターズ
5人の外国人選手の中で及第点を挙げられるのはマルティネスだけだ。先発ローテの一角として10勝をマークし、不振やケガ人が多く出た投手陣の中で存在感を発揮した。開幕投手を務めた
ロドリゲス、抑え候補だった
トンキンは大きく期待を裏切り、打線では新加入したアルシアも打率.222と低調に終わった。
レアードも26本塁打はマークしたが、得点圏での凡打はチームの成績にも直結した。来季の契約は2年契約2年目となるトンキンの残留は決定。マルティネスを筆頭に4選手とは水面下で交渉中だが、三塁の守備にも定評のあるレアードは他球団の評価も高く、流失の可能性もゼロではない。今後の動向が注目される。
オリックス・バファローズ
ロメロは昨年に3年契約を結び、新加入の左腕・
アルバースは今年8月に契約を延長して、来季の残留が決定。そのほか
マレーロ、ローチは今季で契約が切れ、来季の去就は不透明だ。一方で今季はロメロ、マレーロの両助っ人のバットが湿りがちで、得点力低下の一因に。チーム打率.244とリーグ5位と打線が機能しなかっただけに、チームは早くも強打の新助っ人、
ジョーイ・メネセスを獲得。メネセスは今季、フィリーズ傘下の3Aでプレーし、今季、3Aで、23本塁打を放って本塁打王に輝いた右の長距離砲。打率.311とアベレージも高いだけでなく、勝負強さも併せ持ち、82打点でタイトルも獲得した。3Aの“2冠”を招き入れ、打線強化に動いている。
千葉ロッテマリーンズ
何と言ってもボルシンガーだ。開幕前の評価は高いとは言えなかったが、開幕先発ローテに食い込むと外国人選手最多タイの11連勝を記録するなど先発陣の中心に。終盤は蓄積疲労で離脱したものの、13勝2敗で勝率第一位投手に輝いた。しかし、
シェッパーズ、
オルモスの両投手は期待に応えたとは言えず、長打力不足解消の切り札として獲得した
ドミンゲスも不発に終わった。愛されキャラの
チェン・グァンユウはチームの左腕不足もあってまるで日本人選手のような扱いを受けているが、来季は正念場になるだろう。
東北楽天ゴールデンイーグルス
昨季、ウィーラー、ペゲーロ、
アマダーがそろってシーズン20本塁打をマークして話題となったが、今季はその状況が一変。助っ人勢の低調がチーム成績に直結し、最下位に終わった。ウィーラーは故障離脱、アマダーはドーピング違反で出場停止、ペゲーロは打撃不振で二軍調整が続いた。新助っ人の
ディクソンも鳴かず飛ばずで、しっかり働いたのは台湾の大型右腕・
宋家豪のみだ。こうなると来季の契約は厳しい。その顔ぶれは一新されそうだ。
写真=BBM