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プレーボールは2023年!ロマンに満ちた日本ハムの新球場建設

 

11月5日に札幌市内で新球場建設の記者会見が行われた


 壮大なビッグプロジェクトがいよいよ、本格的に動き始めた。

 11月5日に日本ハムから発表された新球場建設についての概要。多角的な観点で調査・検討を重ねた結果、建設地は北海道・北広島市にある「きたひろしま総合運動公園」に正式決定した。すでに完成イメージイラスト、プロモーション動画を見られた方もいるかと思うが、日本初の開閉式天然芝球場となり、面積は約5万平方メートル。建設費用は約600億円を見込んでいるという。

 人口196万人の札幌市の約30分の1程度の5万8000人の地方都市である北広島市。その決断は当初から賛否、さまざまな論議を呼んだ。では、なぜ日本ハムはこの場所を選んだのか。球団が描く思考の軸、最大の焦点は「どこに作るか」ではなく「何を作るか」だったんだと思う。

 さらに球団がこれから作ろうとしているのは、スタジアムではなく「ボールパーク」だ。野球をやるためのスタジアム建設がすべての根底にはあるが、野球以外の商業施設や複合的な機能を持った「世界がまだ出会ったことのないボールパークを」が今回のプロジェクトのテーマでもある。

 そんな建設予定地の北広島市に今年の5月に実際に足を運んだ。まだ色濃い自然と雑木林が生い茂り、ほとんどが未開拓の地。本当にこの場所を数万人規模のボールパークにできるのか、それが率直な感想だった。最寄り駅からのアクセスも良いほうではなく、観客の輸送、交通機関やインフラ整備は大きな課題になる。現在は新駅や電車の増便、国道などに接続するアクセス道路の設置などが検討されているが、どれほどの整備が必要なのかは現時点ではまだ未知数なのも確かだ。

 それでもチームが東京から北海道に移転する際も、現在の北海道日本ハムファイターズの成功を誰が予見していただろうか。これまでも革新的な球団経営で道なき道を切り拓いてきた日本ハム。次なるチャレンジは、世界でも類を見ないボールパークの建設。完成予定の2023年、どんな景色がそこには広がっているのだろうか──。

 また、その真新しい天然芝のグラウンドで清宮幸太郎吉田輝星らが躍動する姿を見られる日をいまは楽しみに待ちたい。

文=松井進作 写真=BBM
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