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セ・リーグ6球団 2018年のMIPは?

 

チームで最も活躍したMVPとまではいかなくとも、印象深いプレーを数々見せ、必要不可欠な選手は誰だったのか? セ・リーグ6球団のMIPを見ていこう。

広島東洋カープ



“守備・走塁の人”というイメージを大きく変えた。野間峻祥は課題だった打撃で、確かな進化を見せた。4年目で初めて規定打席到達にも到達。打率.286、ルーキーイヤーに1本をマークしただけだった本塁打は5本と、技術力、パワーアップは誰の目から見ても明らかだった。特に丸佳浩が離脱したときの活躍ぶりは、穴埋めには十分過ぎるほどで、丸復帰後の居場所をもつかんだ。首脳陣、ファンからも「あのとき、野間がいなかったら……」の声。リーグ3連覇に導いた新戦力として、信頼と評価を高めた。それでも「来年どうなるか分からない」と秋季キャンプでは人一倍振り込む野間の姿が。つかんだポジションはもう離さない。

読売ジャイアンツ



 後半戦の苦しい台所事情を救った救世主と言っていいだろう。ドミニカ共和国からやってきたC.C.メルセデスは、期待の助っ人というよりも叩き上げ。2016年にトライアウトで合格し、17年に育成契約で入団。ファームで日本式のマウンド作法を身に付け、持っていたボールの威力と制球力に磨きをかけた。7月8日に支配下登録されると、同10日のヤクルト戦(神宮)で一軍先発デビューし、5回5安打無失点で勝利投手に。以降は先発ローテーションを守りシーズン終了まで5勝を記録。エース・菅野智之に続く柱としてチームのCS出場に大きく貢献した。

阪神タイガース



 全試合出場は果たせなかったが、132試合に出場。盗塁阻止率2位の成績を残し、正捕手と言われるとことまできた。ワンバンドの処理も巧みで投手陣からの信頼も上がった。さらに阪神の捕手としては7年ぶりとなるゴールデン・グラブ賞も初受賞。打撃も年間100安打を達成。正捕手としてチーム最下位という悔しい結果に終わったが、マスクをかぶり続け、真摯に試合に向き合った意味ではMIPと呼ばれるにふさわしいシーズンを送った。

中日ドラゴンズ



「“平田良介スピードフォルム”がスゴイ」。オフに10キロ近くを減量した平田がそうささやかれるようになったのは、40試合を消化し、打率を3割に乗せたあたりからか。ここから一度も3割を切ることなく、一時は首位打者に躍り出た。8月16日のDeNA戦(ナゴヤドーム)では、先頭打者本塁打を皮切りにサイクルヒットを達成。体のキレが増し、二塁打、三塁打、さらに盗塁までもが、昨年度比約2倍。本塁打数こそ減ったものの、中距離砲として確かな地位を築き上げた。減量は守備や走塁にも好影響を及ぼし、攻守でチームをけん引した。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・青木宣親


 山田哲人の3度目のトリプルスリーとサイクル安打、バレンティンの自己最多タイとなる131打点など、攻撃面での話題が多かった2018年のスワローズ。その中で忘れてはいけないのが、7年ぶりに古巣復帰した青木宣親の貢献度だ。2月途中にチームに合流すると、自らほかの選手との距離を縮め、チームをけん引。シーズンに入ると、バットの調子がじわじわ上昇し、途中からは「二番・青木」がチームの得点源となり、勝利に貢献していく。頭部死球、左太もも裏痛で離脱することもあったが、シーズンを通じてチームを支えた。最下位からの2位躍進は、このバットマンなくしてあり得なかった。

横浜DeNAベイスターズ



 首位打者のタイトルを獲得したのが2017年。宮崎敏郎にとって、今季はプロ野球選手としての価値が試される大切なシーズンだった。結果的に2年連続のタイトルこそ逃したが、リーグ8位となる打率.318、自己最多の28本塁打をマークして見せた。昨年は128試合の出場に終わるなど毎年ケガに泣かされてきた。しかし、今年は欠場わずか1試合とほぼフルシーズンを戦い、オフには初のゴールデン・グラブ賞にも輝いた。チームの中心選手としての自覚を感じさせると同時に、しっかりと結果を積み上げた。

写真=BBM
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