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週刊ベースボール60周年記念企画

超豪華「金田レストラン」営業中?/週べ1965年3月8日増大号

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

日米球界断裂の危機?


表紙は巨人長嶋茂雄



 今回は『1965年3月8日号』。定価は50円だ。
 巨人の宮崎キャンプ、毎度だが、話題の中心は国鉄から移籍の金田正一である。
 今回は食事話が出てきた。
「1日に1万はかかるやろな。一人で食べるよりみんなで食べるほうが多いからもっとかかるかもしれん」
 1日1万、キャンプトータルでは50万ほどという。
 外食や夜遊びの話ではない。これは国鉄時代からだが、金田はキャンプ地に鍋、釜、コンロ、茶碗、皿、鉄板などを持ち込み、食材も牛肉なら神戸や松阪、野菜も大阪から最高級品を取り寄せて、毎日、自らの手でちゃんこ鍋、鉄板焼き、スープなどを作る。しかもONをはじめほかの選手を連日招待してだ。

「他人から見たら、こんな贅沢してと思うかもしれないが、ワシら野球選手は何と言っても体が資本なんや。よけい給料をもろうとる代わり、それだけのもんは使っても、どうしたらスタミナの衰えを防げるか考えなきゃならん」
 水も東京から取り寄せたミネラルウォーター以外は口にしないというから徹底している。
 
 練習でも先頭になって打ち込み、若手の面倒見もいいとあって川上哲治監督も大喜び。
「金田を天皇などと言ったそうだが、とんでもない間違いだ。あれだけ自分の職業に忠実な男はおらん。一生懸命やって、そのうえで輝かしい成績を上げて、記録をつくる。そうすることによって、どんどん高いカネを取る。それが本当のプロ野球選手と言うものじゃないか」
 と大絶賛していた。

 村上雅則の南海、SFジャイアンツ二重契約問題だが、アメリカのコミッショナー、フリッツから「村上問題が解決するまで日本の野球界とはいっさい関係を断つ」と声明を出した。
 問題をこじらせたのは、南海のスタンカ
 球団の使者としてコミッショナーとの会見のため渡米し話し合いをしたのだが、その際、陰でオクラホマの議員に解決を依頼したことがコミッショナーの耳に入り、怒りを買ったのではないか、とも言われた。
 渦中の村上は呉二河の南海キャンプで「僕は何も分かりません。監督に聞いてください」を繰り返していた。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM


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