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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

DeNA後藤武敏 楽天で新たな野球人生を踏み出す

 

今季限りで現役のユニフォームを脱ぎ、楽天で二軍打撃コーチを務める後藤武敏


 伊豆のホテルで行われたDeNAの選手会納会には、現役選手だけでなく今季限りで退団する選手も出席して宴会の冒頭であいさつした。16年間の現役生活に終止符を打ち、来季より楽天二軍打撃コーチに就任する後藤武敏は、「陰ながらベイスターズのことを応援しています」と後輩たちにエールを送った。

 楽天からコーチ就任の打診があったのは、9月22日の引退試合(中日戦=横浜スタジアム)後、しばらく経ってからだった。石井一久GMを中心にチーム強化を図る楽天が、平石洋介監督と同じ“松坂世代”のスタッフとして後藤に声をかけた。一軍打撃コーチには、同じ1980年生まれでオリックスを引退したばかりの小谷野栄一が招聘されている。

「ゆくゆくは(指導者の道へ)と、夢を見ていましたけれど、こんなに早くお話しをいただけるなんて」と後藤は語る。プロ野球で監督やコーチのポストに就くには、本人の指導力、人柄もさることながらタイミングも大切な要素。自分だけが希望しても、球団側に空いているポストがなければ指導者への道は開けない。後藤の決断は早かった。チームは違えど、東北の地で新たな一歩を踏み出すことを決意した。

 楽天は今秋、投手陣が楽天生命パーク、野手陣は岡山県倉敷市のマスカットスタジアムと二手に分かれてキャンプを行った。後藤は10月16日に仙台に赴くと、その後は岡山へ向かい、早速、監督やコーチと指導方針を確認し、選手たちを見て回った。「コーチ1年生として修業の毎日ですね」とキャンプを振り返る表情には、充実感が漂う。なかでも平石監督、小谷野コーチという同世代から刺激をもらっているようだ。「小谷野ともよく食事に行って話しているんです。『監督を男にしような』って」。

 本格的に楽天での活動が始まる来年には、単身赴任で仙台を拠点にする予定だ。DeNA時代は「ゴメス」の愛称で親しまれ、チームメートの信望を集めた男がどんなスラッガーを育てるのか、しっかりと注目していきたい。

文=滝川和臣 写真=大賀章好
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