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巨人・岡本和真を待つ“2年目のジンクス”

 

10月9日のレギュラーシーズン最終戦で2本のホームランを放ち、打点を100の大台に乗せて「3割、30本塁打、100打点」をクリアした巨人岡本和真


 今季限りで退任した高橋由伸監督の抜擢に応え、6月2日のオリックス戦(京セラドーム)から四番に座った岡本和真が、10月9日のレギュラーシーズン最終戦(対阪神、甲子園)で「3割、30本塁打、100打点」をクリアした。22歳シーズンでは初めてで、史上最年少での到達となったことは記憶に新しい。

 あわせて100打点の最年少記録も更新。これまでは1963年の王貞治(巨人)ら6人がマークした23歳シーズンだったが、岡本はこれよりも1年早い22歳でクリア。なお、22歳以下の年齢でのシーズン最多打点は、62年の張本勲(東映=22歳)、96年の松井秀喜(巨人=22歳)の99打点だから、日本球界のレジェンドたちを一気に抜き去り、球史にその名を刻み込んだことになる。

 あらためてとなるが、100打点をクリアした最後の追い込みには驚かされた。10月9日の試合開始前時点で97打点。「3-30-100」に向けては、すでに31本塁打でこちらはクリアしており、打率も数字上はほぼ確実。3点を残した打点がネックとなっていた(直前の5試合で2打点と足踏み)。CS進出(つまりシーズン3位)がかかった試合でもあり、さまざまな受圧の中で3打席目まで無安打。そうして迎えた7回の第4打席で勝ち越しのソロ(この1本でチームの3位をグッと引き寄せる)を放つと、8回一死二塁で巡ってきたこの日の第5打席だ。状況から考えれば、ラストチャンス。フルカウントまで粘ったあと、それでも強く振り抜いて左中間に叩き込むのだから、末恐ろしい。

 なお、若くして「3-30-100」をクリアしたトップ5にはそうそうたる名前が並ぶ。2位は2015年にトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)を達成して話題をさらったヤクルト山田哲人(打率.329、38本塁打、100打点)で、3位は山田が記録を更新するまで52年間トップに君臨していた1963年の巨人・王貞治(打率.305、40本塁打、106打点)。そして阪神・掛布雅之(打率.318、32本塁打、102打点)、南海・門田博光(打率.300、31本塁打、120打点)と続く。

 彼らの翌年の成績をざっと紹介すると、山田=打率.304、38本塁打、102打点。王=打率.320、55本塁打、119打点。掛布=打率.327、48本塁打、95打点。門田=打率.309、14本塁打、58打点と、見てのとおり、見事の数字が並ぶ。門田のみ打点、本塁打と数字を下げたが、それでも3割超だ。

 来季、原辰徳新監督体制となっても、四番を確約されている岡本は、三塁守備にも挑戦する予定。守備の負担は増すが、果たして23歳となる右の大砲は、彼らと同じ道を歩むことができるか。

文=坂本 匠 写真=BBM
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