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2018シーズン総括

【2018ソフトバンク総括】V逸の悔しさを振り払い、チーム一丸で成し遂げた下克上日本一!

 

攻撃力 HITTING REVIEW


日本シリーズでのバットを折りながらのサヨナラ弾(写真)など、インパクト大の活躍を見せた柳田


 開幕からなかなかエンジンがかからない。特に内川聖一松田宣浩ら主軸の状態の悪さが際立った。そこで頼もしさを見せたのは主砲・柳田悠岐。3・4月から打率.353とスタートダッシュに成功した今季はシーズン通じて気を吐き続け、3年ぶりの首位打者(打率.352)と4年連続の最高出塁率(.431)のタイトルに輝いた。

 8月に入り、ようやく打線が本領発揮。内川離脱後、四番に入った柳田とともにチームを押し上げたのがグラシアルだ。故障のデスパイネに代わって一軍昇格を果たすと、8月26日の西武戦(ヤフオクドーム)でサヨナラ満塁本塁打を放つなど、デスパイネ不在を感じさせない活躍ぶり。また、一番に入った牧原大成も積極的な打撃で勢いをもたらし、首位・西武をあと一歩まで追い詰めた。

 ポストシーズンでは、打撃不振の松田宣をスタメンから外すなど、思い切りの良さを見せた工藤公康監督。短期決戦ならではの、一戦一戦の勝ちにこだわった采配で、日本一をつかんだ。

投手力 PITCHING REVIEW


 開幕前の和田毅に続き、千賀滉大東浜巨と、今季も先発陣が相次いで離脱。それに加え、岩嵜翔サファテというリリーフの“2大巨頭”も故障で欠くという緊急事態に陥った。

 総力戦を余儀なくされる中、リリーフ陣では昨季までわずか一軍4試合の登板だった加治屋蓮が、内角を鋭く突く強気の投球とフォークを武器に、セットアッパーへと成長。昨季の岩嵜に並ぶ球団記録タイの72試合登板を果たせば、サファテに代わり抑えを任された森唯斗は、登板を重ねるごとに信頼を高め、セーブ王(37セーブ)を獲得。日本一の胴上げ投手にもなっている。

 先発陣も、前半戦は石川柊太が勝ち頭としてチームを引っ張ると、千賀、東浜も復帰し、育成から支配下に昇格したルーキーの大竹耕太郎や新加入助っ人・ミランダといった救世主が出現。先発ローテが固まったシーズン終盤からは、武田翔太や石川ら先発経験者を第2先発として待機させた。積極的な継投策は、特にポストシーズンで見事にハマった。

守備力 FIELDING REVIEW


 春季キャンプ前の異例のレギュラー当確発表で、残されたポジションは捕手、二塁、右翼の3つに。その中で右翼は上林誠知がしっかりとキープ。柳田不在時は中堅も任され、全143試合に出場し、2年連続リーグトップの10補殺をマークした。

 捕手では昨年を上回る111試合でスタメンマスクをかぶった甲斐拓也が、着実に『真の要』への階段を上る。配球面に課題はあるものの、球界屈指の肩と送球技術で、盗塁阻止率は12球団トップの.447。日本シリーズでは6連続盗塁阻止と、“甲斐キャノン”を見せつけた。

 二塁も球宴前から一軍昇格した牧原が好調の打撃でレギュラーをつかんだかに見えたが、試合中の負傷でシーズン終盤に無念の離脱。明石健志西田哲朗らライバルが多いポジションだけに、来季も熾烈な争いが繰り広げられるだろう。

[2018年の主な達成記録]
▼サイクル安打=柳田悠岐、4月21日対日本ハム(札幌ドーム)、プロ野球65人目、通算70度目
▼通算2000安打=内川聖一、5月9日対西武(メットライフ)、プロ野球51人目
▼NPB通算100本塁打=A.デスパイネ、5月25日対楽天(ヤフオクドーム)、プロ野球287人目
▼通算1500投球回=中田賢一、5月31日対阪神(甲子園)、プロ野球177人目
▼通算100勝=中田賢一、8月26日対西武(ヤフオクドーム)、プロ野球136人目
▼チーム7試合7連続セーブ=森唯斗、9月25日対オリックス(京セラドーム)※プロ野球新記録
▼通算150本塁打=柳田悠岐、10月5日対オリックス(京セラドーム)、プロ野球170人目

写真=BBM
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