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週刊ベースボール60周年記念企画

産経スワローズ誕生/週べ1965年5月10日増大号

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

マッシーはいまだ中モズ


表紙は左から巨人金田正一城之内邦雄



 今回は『1965年5月10日号』。定価は60円だ。
『こわされてしまった国鉄』という物騒なタイトルの記事があった。
 金田正一が去った国鉄スワローズは開幕から10試合で1勝8敗1分とドツボにはまっていた。
 金田の移籍、豊田泰光の不振、主力の故障と要因はたくさんあるが、緊縮財政の名のもとオフにベテラン選手を次々と切り、チームの雰囲気は最悪になっていた。

 国鉄派と資本参加していた産経グループの対立は、産経の完全勝利(?)。初代監督でもあった球団重役・西垣徳雄も退社し、4月23日には、国鉄スワローズから産経スワローズに球団名を変えると発表があった。

 南海かサンフランシスコ・ジャイアンツかでもめる村上雅則は、いまだ結論が出ず、中モズで二軍選手と一緒に練習の日々。
 父親は、「このまま日本に返す確約もなく渡米となるのなら息子の野球生活を断念させる」と新聞に談話を寄せたが、村上は「すべてはコミッショナーと球団に任せていますが、僕は野球をやめたくない」と話していた。

 出だしを2勝5敗1分とつまずいた巨人だが、大洋への3連勝で息を吹き返した。いまだ本領発揮とはいかないが、注目されていたのが、リリーフ投手の宮田征典。心臓の持病で長いイニングの登板がきつかったこともあり、63年からほぼ救援専門となっていた男だ。

 常にポーカーフェイスだが、川上哲治監督によれば「宮田はおとなしそうに見えていい度胸をしているし、ファイトも人一倍ある」と称賛していた。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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