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ドジャース・前田はチェンジアップに磨きをかけ世界一を狙う

 

チェンジアップの精度を高め、先発として世界一を狙っていくドジャース・前田(写真はストレート)


 2018年はメジャー3年目で8勝(10敗2S)と初めて2ケタ勝利を逃したドジャースの前田健太投手。だが、18年が一番手応えを感じたシーズンだったと本人は振り返る。その理由として、チェンジアップとカーブの握りを変えたことで、投球の質が上がったことを実感できたからだというのだ。

「5月に自分の思い描いた投球ができていました。その後にDL入り(股関節の張り)してしまい、復帰した後いいときの感覚をなかなか取り戻せなかった。ただ、あの感覚は覚えているので、そこを目指してシーズンに臨めば大丈夫だと思っています。課題と目標が明確に分かったシーズンでした」

 もともとフォークが投げることを苦手としていた前田は、鋭く落ちるこの変化球を持ちたいと常々思い描いていた。そこでチェンジアップの握りを変えることで、フォークと同じような落ち方をする工夫を試みた。その握りを完成させ、思い描いた落ちになっていったのが5月だった。一方、鋭く落ちるパワーカーブを身に付けたいと、ナックルカーブの握りに変更し、しっくりくる握りと変化量になったのも5月だった。この2つの球種が勝負球になったことで、投球の幅が広がる可能性を見つけた。そして、19年は「先発としてワールド・シリーズのマウンドに立つ」ことも目標に、鋭く落ちるチェンジアップの精度をさらに上げたいという。

「昨年のチェンジアップは、ストライクからボールするしか操れなかったんです。今後、ストライクからストライクへと変化させるようにコントロールすることができれば、自分のピッチングにもっと幅ができると思うんです」

 前田が先発としてチェンジアップを極め、しっかりと試合を作れる先発の一人として機能したとき、1988年以来の世界一を掴み取ることができるはずだ。「2度も目の前で世界一を見せたらので、次は絶対に」と3度目の正直を前田は狙いにいく。

文=椎屋博幸 写真=Getty Images
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