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ロッテ・涌井秀章が松坂大輔とともに着けたかったエースナンバー「18」

 

契約更改の会見で涌井は背番号を「16」から「18」へ変更することを発表した


「16番から18番にすることにしました。18番というのはチームのエースが背負う番号だと思うので。もっともっとそういう存在になれたらいいなと思い、球団に打診して了承してもらいました」

 昨季まで4年連続で開幕投手を務めた誰もが認めるロッテのエース。涌井秀章が今季から背番号を「18」にすることを契約更改の会見の席上で明らかにした。西武時代の2013年シーズン以来、6年ぶりに涌井の背中に「18」が帰ってくる。

 理由として真っ先に挙げたのが、横浜高の先輩にして西武でも「18」、そしてエースの称号を継承した松坂大輔の存在だ。昨季、中日に移籍した松坂は奇跡の復活を遂げ、日本中にセンセーションを巻き起こし、シーズン6勝をマークしてカムバック賞を獲得。そして今季から再び慣れ親しんだ「18」を背負うことになっている。

「松坂さんがもう一度、18番を着けたので、自分も着けたいと思った。プロ入りからずっと追いかけてきた背中なので、いいタイミングでまた18を着けることができるなと思う」

 14年シーズンからロッテに加わり、翌15年には最多勝を獲得。しかし、この2年は5勝、7勝に終わり、「目標はチームの優勝だが、この2、3年、自分の成績も良くない。チームの柱としてしっかり投げること」と今季への意気込みを口にする。しかし、涌井がここまで決意と自覚をはっきりと口にしたのは、少し意外だった。

 2年前の春季キャンプ。3年連続開幕投手が内定していた涌井に「開幕投手というのは譲りたくないポジションか」と問うと、「昔はそうでしたけど、今はチーム全体が若いので、そういうのも(開幕投手を)早く味わっておいたほうがいいよ、というくらいに思っています」と話していた。

 それがこの会見では、「開幕投手は特別。(若手に)経験してほしいけど」と前置きをしつつ、「後輩たちにはまだまだ渡せない。毎年、そこに向けて動いている」と、5年連続の大役に向けてそのニュアンスが明らかに変わっていた。

 涌井から背番号18への変更を打診されたとき、松本尚樹球団本部長は「個人的にはうれしかった」と振り返る。「選手が背番号を変えたいというときは、『自分を変えたい』『もう一回、勝負したい』というときが多いからね」。

 決意と自覚は言葉だけではない。このオフは自主トレで「若いころはやっていた」という長距離走を「プラスアルファで」取り入れているという。松本球団本部長も「体を見ても、しっかり追い込んで自主トレしているのが分かるよね」と目を細める。

「昨年よりいい状態でキャンプに入れると思う」。自覚と決意、そして手応えをもって新シーズンへ臨むであろう新たなカモメの背番号18。2019年シーズンは復活にとどまらぬ、さらなる進化を遂げた涌井の姿が見られるかもしれない。

文=杉浦多夢 写真=BBM
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