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元巨人ヘッドコーチが忘れられない内海哲也のピッチング

 

順調に自主トレを進めている内海


 巨人へFA移籍した炭谷銀仁朗の人的補償で西武に加入した内海哲也。2007年から10年までヘッドコーチとしてともに戦った伊原春樹氏は、内海の何事も一生懸命にやる姿が目に焼き付いているという。

「例えば練習においても、走るのも遅いし、言葉は悪いがやることはぶさいくでカッコ良くはない。でも、絶対に手を抜かない。周囲に率先して声を掛けて、常に先頭に立ち、ユニフォームを汚すほど練習していた。その姿勢には敬服する思いだった」

 脳裏に焼き付いているピッチングもある。07年9月19日の阪神戦(甲子園)だ。先発した内海は4回の打席でボーグルソンから右側頭部に死球を受けた。いったんベンチに下がったが、「大丈夫です」といって再び打席へ。圧巻だったのはその裏。赤星憲広、シーツ、金本知憲から3者連続三振を奪った。

「『あそこで打たれると死球の影響があると思われてしまうので、3人で抑えようと思っていました』と。まさに恐れ入った投球だったね」

 結局、内海は13三振を奪い、1カ月ぶりの13勝目をマーク。チームの阪神戦の連敗も6で止め、首位を行く猛虎に0.5ゲームと肉薄。この年、巨人は5年ぶりの優勝を果たしたが、内海の働きは大きかった。

「とにかく、精神力が強い投手。西武でもほかの投手にいい影響を与えるのは間違いないと思う」

 2月1日からの南郷キャンプはA班(一軍)スタートとなる内海。どのように存在感を発揮するか楽しみだ。

文=小林光男 写真=高塩隆
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