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阪神・原口文仁 勝負強い打撃をもう一度

 

勝負強い打撃を甲子園で必ず見せてくれると信じている


 
 先日、ツイッターと球団からの公表により、大腸ガンであることを明らかにし、手術を受けることを表明した阪神原口文仁捕手。直筆で書かれたメッセージには、すべてにポジティブな言葉が並べられていた。それを読んで、復帰への強い意思を感じられ、原口選手らしいな、と思った。

 ふと、あのときはどういう心境だったのか思い返してみた。彼が2016年、育成から支配下になりすごい勢いで活躍していたときに週刊ベースボールのインタビューで答えてくれた中で、育成時代、ケガが続いていたころの思いだ。

「心が折れそうになることもありました。実際に、もしやめたときに自分は何ができるのか、ってすごく考えたんです。でも、結果はやはり何にもできない。『野球しかない』。まずやれることからやっていこうという気持ちでした」

 育成時代のつらさ以上のものを現在、背負っているであろう今も「やれることからやっていこう」という気持ちだと思うし、「野球しかない」という気持ちも、一軍で結果を残した今ではもっと強くなったかもしれない。

 このとき、写真撮影をお願いしたが「僕はまだそこまでの選手ではないので、すいません」と断られた。広報の方々も説得をしてくれたが、彼の考えは変わらなかった。次のインタビューの機会がきたときには、快く受けてもらいたい、そういう選手になってくれると期待をしていた。もちろん、ガンを克服し、あの勝負強い打撃で甲子園のファンを喜ばせるようになったときには、もう一度お願いしたいと思っている。必ずその日は来ると信じている。

文=椎屋博幸 写真=BBM
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