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小宮山監督が4年後のプロ入りを目指す逸材にたたき込む「早稲田愛」

 

「想像しているレベルを超えるくらいに」


早大の練習に合流した新1年生の野手2人。左は蛭間(浦和学院)、右は中川(大阪桐蔭)


 新入生の合流にあたって、早大・小宮山悟監督は「早稲田愛」をあらためて披露している。

 2月5日、早大アスリート選抜入学試験で合格した4人の1年生が、東伏見グラウンドでの練習に合流した。昨年9月のU-18アジア選手権(宮崎)で銅メダルを獲得した侍ジャパン高校日本代表の主将を務めた大阪桐蔭高・中川卓也内野手、副将として支えた浦和学院高・蛭間拓哉外野手。この野手2人に加え、143キロ右腕の仙台育英高・田中星流、142キロ右腕の日大豊山高・名倉侑田と、いずれも4年後のプロ入りを目指している逸材たちである。小宮山監督は言う。

「彼らが望むところに引き上げる。4年後を見据えての大学でしょうから、想像しているレベルを超えるくらいに持っていきたい」

 中川は昨年、大阪桐蔭高を甲子園春夏連覇へと導いた主将であり、蛭間もキャプテンとして強豪校をけん引した抜群のリーダーシップがある。すでに1年生とは思えない存在感を放つが、小宮山監督は冷静にこう言う。

「経験してきたものをベースにして、早稲田の人間に育てる。大学は高校よりも1年長いわけですから、より多くものを得られると思う」

 さらにこう、踏み込んだ。

「死ぬ間際にどう思うか……。早稲田に感謝して死ぬ。そう思えるような4年間にしていくためにも、こちらからはさまざま情報、知識等を提供してあげないといけない」

早大の練習に合流した新1年生2人の右腕。左は名倉(日大豊山)、右は田中(仙台育英)


 4人は2月末からの沖縄キャンプに帯同させる予定だという。即戦力の期待感。小宮山監督は学年に問わず、実力主義を打ち出す。

「(今日までに)体を動かしてくるように、リクエストしてきた。これから3週間あまり、(キャンプに連れていけるか)そのレベルかの確認になる」

 田中は「大学日本一を目指して、そのときには自分がマウンドにいられるように」と抱負を語れば、名倉は「東京六大学リーグ優勝に貢献できるような投手になりたい」と目を輝かせた。

 一方、野手2人の目標はさらに具体的だ。

 内野ならばどこでも守れる中川は「リーグ最多安打」と、明大・高山俊(現阪神)の持つ131安打の更新を狙う。蛭間は「三冠王(打率、打点、本塁打)。100安打以上を目指す」と語った。

 共通しているのは、チーム勝利のため。熱血指揮官・小宮山監督の下、4人は伝統と歴史を誇る「早稲田カラー」に染まっていく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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