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川口和久WEBコラム

新生巨人は、ベテランと若手、どっち取るねん?/川口和久WEBコラム

 

三塁挑戦中の岡本。いい表情してるね


 2月10、11日と巨人は紅白戦をやって宮崎キャンプを打ち上げた。
 2試合を見ていて、一番驚いたのが、10日の試合の岡本和真だ。センターバックスクリーンへの一発だからね。完全に体が出来上がっているんだろう。すごいな。

 岡本は、高橋由伸前監督時代に抜てきした若手の筆頭株だ。由伸監督は、岡本が不振時にも我慢して四番で使い続け、一本立ちさせた。
 今年はサードでいくらしいが、一塁のようにある意味、代わりがいるポジションではない。原辰徳監督も岡本に関しては「認めた」ということかな。

 由伸チルドレンで言えば、ケガで途中離脱した吉川尚輝もそうだ。線は細いが、なんとか一本立ちさせたいという首脳陣の意図が感じられる起用だった。ほかにも紅白戦で和田恋田中俊太松原聖弥と楽しみな若手が躍動していた。
 由伸監督の3年間でまいた種が今年は芽が出てきそうだ。
 原監督が「まだまだシャフルしていきます」と言っていたように、これからも開幕まで若手のアピール合戦が続きそうだね。

 見ていて思ったのは、この紅白2チーム、合体させるより、バラバラの2チームのままのほうが強いんじゃないか、ってこと。贅沢なチームだよね。今となっては推定年俸4億円のゲレーロが余剰戦力に見える。

 層の厚さを褒めているだけじゃないよ。野球は9人しか同時に使えないスポーツ。3割打者が同じポジションに2人いても、そのポジションが6割打つわけじゃない。そういう足し算はできないからね。

 これはチ―ムのバランスもある。いまや年俸が巨人を超えたソフトバンクを見ても、野手に関しては、それは感じない。どっちがいい悪いじゃないけど、ソフトバンクはピラミッドのようなチーム構成になっているけど、巨人の場合は、同じポジションで同レベルの選手がガチガチにぶつかり合ってる。
 もちろん、編成も任された原監督にしてみたら、「使うこなす自信」があっての大型補強だったと思う。

 ただ、若手はたまらんね。今は紅白戦だからいいけど、シーズンに入ったら先発の野手は8人。丸佳浩坂本勇人陽岱鋼、ゲレーロ、阿部慎之助中島宏之ビヤヌエバ炭谷銀仁朗、あと小林誠司も入れておくが、このメンツの中に何人の若手が割って入れるのかな。

 せっかくサバイバルを生き残って、開幕ベンチに入っても、始まってみたら代打や代走でお茶を濁しているうちに二軍……みたいな選手は過去にもたくさんいたからね。

 実力主義と言っても要は原監督のさじ加減。
 どっちに軸を置くのかな。由伸路線を生かし、若手を大胆に使ってほしい気がするが、優勝が絶対条件のシーズンだから、やはりガチガチの起用になるのかな。

 これは外野からの無責任な妄想プランだけど、いっそ複数チーム体制でもいいかもしれない。野手は丸、坂本、岡本くらいを固定で、ほかは相手との相性や、思い切って「本拠地専用チーム」、「遠征専用チーム」、「ナイター専用チーム」「デーゲーム専用チーム」みたいに分けてね。
 捕手に関しては、原監督も考えているはずだけど、たとえば慎之助は新人の高橋優貴専属とか、起用を細分化すればいい。

 全試合出ないと試合勘が鈍る、という声もあるかもしれんけど、ちゃんと出番が分かるように組んでいけば、すぐ慣れると思うし、故障は間違いなく減ると思うよ。
 
 ただ、これらはすべて野手の話。投手はコマ数は多いが、ちょっと決め手に欠く。こちらは新コーチ2人に期待だね。

週刊ベースボール編集部

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