ここまでの仕上がりを自己採点
2018年オフ、
ソフトバンクは12球団で唯一、補強なしだった。新戦力はドラフトで入団した7選手のみ(育成は除く)。とはいえ、投手5人は皆、大卒・社会人出で、ドラフト当時から即戦力として期待が高かった。今キャンプではドラフト1位の甲斐野央、同2位の
杉山一樹、同4位・
板東湧梧、同7位・
奥村政稔がA組(一軍)に抜てきされ連日、持ち味を発揮し、アピールを続けている。2月12日で第3クールも終了。そこで、彼ら4人とB組(二軍)で自分のペースで調整を続けるドラフト6位の
泉圭輔のルーキー5投手に『ここまでのキャンプを振り返っての自分の仕上がり』を自己採点してもらった。
◆ドラフト1位・甲斐野央……『点数は……。“まだまだ”です』
「体力面も、技術面もプロのレベルではない。必死に食らいついています。(今後は)球質もそうだし、コントロールも。ただ一気に良くなるわけではないので、『総合力の高いピッチャー』を目指している自分としては、トータルで少しずつ少しずつ伸ばしていければいいなと思います」
◆同2位・杉山一樹……『60点』
「うまくいくところもうまくいかないところもあります。具体的には、スライダーがまとまってきた。今後、実戦に入ってもこの感覚でいければなと思います。ただ、真っすぐが自分の思ったとおりに投げられていないので。課題はコントロールですね」
◆同4位・板東湧梧……『80点くらい』
「課題である“真っすぐの制球”という部分が、ここまではしっかりできているかなと思います。低めに集めるというのが、投げるたびに良くなっている。あとは変化球がどこまで仕上がるか。カーブ、カットボール、フォークの3つをどれだけ真っすぐに近く投げられるか。そこが僕の生命線。とはいえ、まだまだプロのレベルではない。ここからが勝負です」
◆同6位・泉 圭輔……『50点くらい』
「体の状態はいいんですが、ボールがまだ、一番いい調子と比べると劣る。投げている感触がバラバラなんですよね。(ほかの4投手がA組にいることに関して)焦りはあります。自分の力不足を感じるので……。皆で活躍できるように、頑張って(彼らに)追いついていきたいと思います」
◆同7位・奥村政稔……『自分の思うとおりには来られているので、そういう意味では100点』
「キャンプの目的である“シーズン通して投げ抜くための体づくり”はうまくできています。ただ今後、実戦ではもっともっとアピールしていかなければいけない。球速だったら甲斐野らにかなわないけど、変化球だったり、マウンドでの立ち居振る舞いなど自分にしかできない“小技”みたいなものが大事になってきますね」
2月11、12日にはA組で今キャンプ初めてシート打撃も行われた。11日に板東、奥村が、12日には甲斐野、杉山が登板。4人とも首脳陣、先輩からの評価も上々だ。これから第4クールに入り、より実戦形式の練習が増えてくる。生き残るのは誰か――。まだまだ目が離せない。
文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭