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伊原春樹コラム

ソフトバンクで見つけた“快足”を持つ楽しみな若手/伊原春樹コラム

 

快足で頭角を現しそうなソフトバンク周東佑京


「あれは柳田(柳田悠岐)かな」と同行していた記者に話しかけたが、よく見ると線が細い。宮崎で行われているソフトバンクキャンプ。ティーバッティングをしている左打者の姿が目に飛び込んできたが、背負っていたのは3ケタの番号「121」。育成選手の周東佑京だった。フォロースローの大きい力強いバットスイングはまるで柳田のよう。昨季はまだ非力さがあったようだが、オフの間に鍛えてきたのだろう。非常に力強いものだった。

 思わず松田宣浩に「彼は足が速いの?」と聞くと「チームで一番速いですよ」との答えが。聞けば新人ながら昨季、ウエスタン・リーグで27盗塁をマークしてタイトルを獲得したという。50メートルのタイムも5秒台。“超Aクラス”の脚力を持たなければこのタイムをたたき出せないが、私が見てきた選手の中でも秋山幸二(元西武ほか)、鈴木尚広(元巨人)に匹敵する。足が速い選手は多くいるが、ズバ抜けているのはなかなかいない。

 出身は東京農業大北海道オホーツク。この大学の樋越勉監督の息子が昨季まで育成選手としてソフトバンクに在籍していた樋越優一(現・チームスタッフ)だった。その縁もあって、一芸に秀でていた周東もソフトバンクスカウトの目に留まったのだろう。

 支配下登録の筆頭候補だというが、すぐに育成から昇格させてもいいのではないかと思う。代走の一番手としても十分に使えるのではないか。もし、私が若かったら、マンツーマンで指導して走塁技術もたたき込む。そのくらい、楽しみな存在だ。

写真=湯浅芳昭
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