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開幕一軍は誰だ? 広島の当落線上の野手について考えてみた

 

大物ルーキー・小園海斗は一軍に残れるか?


 キャンプも終盤に入り、いよいよオープン戦も近づいてきた。緒方孝市監督も「絞り込みを行う」と語っているように、カープでも一軍メンバーへのふるい落としの時期に入る。そこで今回は、誌面スペースの関係で本誌ではなかなか触れられない、野手の控えメンバーの一軍当落を検討してみたい。

 今季から、一軍登録枠は1つ増えて29になるが、これはやはりできれば投手に使いたいところだろう。基本的には野手の数は今まで同様、16人程度と見る。捕手3、各ポジション2人ずつぐらいのベースから、1人か2人引くぐらいのイメージだ。

 一応、現時点でレギュラーが有力なのは、捕手・會澤翼、一塁手・松山竜平、二塁手・菊池涼介、三塁手・安部友裕、遊撃手・田中広輔、左翼手・長野久義、中堅手・野間峻祥、右翼手・鈴木誠也。とりあえず、これを前提として話を進めていく。

 まずは捕手を見てみよう。昨季はほぼ會澤、石原慶幸磯村嘉孝の3人体制だったが、今春キャンプでは、會澤、石原に加えて、船越涼太坂倉将吾が一軍でキャンプを過ごした。石原はジョンソン先発のときにはスタメン起用が基本なので一軍当確とすると、残りは1人。有望なのは坂倉将吾だ。左の代打として西川龍馬に次ぐ2番手になりそうな勢いがあり、そうなれば一軍に置きたい戦力になる。ただ、「左の2番手」となると、試合中盤のイニングで出番が来ることも少なくないため、そのときには実質捕手2人制のような形になり、會澤に代走を出したりはしにくい、という状況になることはあるかもしれないが。

 次に外野手。ここはレフトに西川龍馬、バティスタと左右の代打の切り札がいる(メヒアがバティスタを抜いて一軍に残る場合は、ポジションが内野なので、少し状況が変わってくるが)。一見、レフトがだぶついているようだが、この2人は一塁手のサブも兼ねる、と考えれば人数的には問題がない。外野にあと1、2人入れられる、となると下水流昂正隨優弥の名が挙がる。さらに、バティスタが出た場合や、大差がついてベテランの長野を休ませたいときには、守備固めもほしい。

 ただ、これにはあまり適任者がおらず、本来内野の上本崇司曽根海成が内外野の守備固めを兼ねる形になりそうだ。もちろんこの2人は代走でも使える。この2人の比較では代走能力の高い上本が優位か。外野は、鈴木、野間は基本的には交代の必要がないので、できれば5人で済ませたいところ。そうなるとタイプの近い下水流と正隨はどちらか一人の可能性が高い。プラス上本、の形が濃厚か。

 最後に内野手。まず可能性が高いのが、堂林翔太だ。安部が故障や不調のときの三塁手のサブ、守備固めに入って安部が一塁手に回ったときの三塁手、右の代打と、起用の汎用性が高い。二塁手のサブは、菊池涼を休ませたいときぐらいしか需要がないが、庄司隼人と曽根海成の争い。春のキャンプでは庄司が打球に力強さを見せてきた感があるが、打力で目に見える差がつかなければ、代走の能力で上回り、外野も守れる曽根が使いやすいか。

 そして最大の悩みどころが遊撃手の小園だ。遊撃には連続フルイニング出場を続ける田中広がいるだけに、実はここはもっともサブの人数枠を節約したいポジションだ。小園はルーキーでもあり、今のところ遊撃手の練習しかしていないので、普通に考えれば、一軍に残るのは難しい。ただ、小園は近い将来のレギュラー候補のポテンシャルは見せており、ここは今年の一軍戦力としてどうか、というより、チームの育成方針次第だと思われる。つまり、ファームのレベルで実戦経験を積むのと、試合の経験は少なくなっても、一軍に置いて目の前で田中広や菊池涼の守備や取り組み方を見せるのと、どちらがより小園の成長につながるか、の判断次第になってくるのではないだろうか。

文=藤本泰祐 写真=BBM
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