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打線の核は誰? セ・リーグ四番打者事情

 

ほとんどの球団でキャンプを打ち上げ、今後は実戦が本格化していく。シーズン開幕に向け、打線の核である四番打者を誰に任せようと考えているのか。セ・リーグ各球団の四番打者事情を見ていこう。

読売ジャイアンツ


巨人岡本和真(左)


 昨季、読売巨人軍第89代四番打者に就任した高卒5年目の岡本和真が2年目の大役に挑む。3割、30本塁打、100打点を史上最年少でクリアした大砲は、「キャリアハイ」を掲げており、特にチームの勝敗を左右する打点に重きを置く。ルーキー年の監督だった原辰徳が再び指揮官に復帰したが、昨季の活躍を称賛。さらにその原監督や長嶋茂雄終身名誉監督が現役時代にそうであったように、「四番・三塁」での起用も明言し、今春季キャンプでは連日、特守で泥にまみれた。伝統のホットコーナーを守り、主軸として5年ぶりのV奪回にチームを導く。

阪神タイガース



 紅白戦から練習試合にかけて四番で起用され続けているのが大山悠輔だ。「悠輔がそういう姿を見せてくれている。みんなが争った中で、悠輔が四番に座るというのが理想」と矢野燿大監督はその理由を語る。さらに「理想はマルテが五、六番あたりを打ってくれること」とも話しており、シーズンに入っても大山を四番で起用し続けることは確実だろう。キャンプ中も一人自分で考えたメニューで黙々とバットスイングを繰り返した。まずはオープン戦から開幕まで結果を残し四番をフルシーズン座り続けるつもりだ。

中日ドラゴンズ



 昨季、首位打者と最多安打の2冠に輝いたビシエドが、今季も不動の四番を務める。チーム内では“内野定位置争い”が勃発中だが、ビシエドだけは例外。与田剛監督も、ビシエドの穴のないバッティングは、今季もリーグ屈指の打線を引っ張っていけると信頼を寄せ、「四番・一塁」で固定する方針だ。オフには3年総額11億円(金額は推定)の大型契約を結んだ。この契約が満了すれば、チームではレオ・ゴメスアロンゾ・パウエルと並ぶ長期在籍となる。竜の歴史に名を残す四番打者となるだろう期待の現れでもある。

広島東洋カープ



 広島の四番は、今季も鈴木誠也だ。右足首の状態を考慮され、別メニューが多かったものの、今春のキャンプでも、その存在感は際立っていた。連日のようにランチ特打に登場、「すごいスイング。音が違う」と、巨人から移籍の長野久義を驚かせた。実戦形式でも紅白戦のチーム1号と対外試合のチーム1号をものにするなど順調で、東出輝裕打撃コーチも「日本シリーズのときより2ランク上がっている」と絶賛する。昨季の30本塁打からさらにワンランク上積みがありそうな予感は十分だ。掲げる目標は打点王。本人の充実度は高いが、その分、勝負してもらえないケースが増える点と、丸佳浩が抜けて前の打者の出塁率がどうなるかがカギになるか。

東京ヤクルトスワローズ



 来日9年目を迎えるバレンティンは今年も元気いっぱいだ。春季キャンプでは例年になく調整が早く進み、オープン戦では早くも場外弾が飛び出している。昨季は自己最多タイとなる131打点をマークし、自身初となる打点王のタイトルを獲得。それでも「前を打つ打者がチャンスを作ってくれるから」と殊勝なコメントを残している。これまでは気分次第でプレーにムラが出ることもあったが、近年はメンタルが充実。日本野球を知り尽くし、抜群の勝負強さでチームに貢献する、球団屈指の助っ人と言えるだろう。

横浜DeNAベイスターズ



 DeNAの四番には筒香嘉智がどっかりと腰を据えている。昨シーズンは四球で歩かされることを嫌い三番を打つこともあったが、今シーズンはこの男が重量打線の中心に座ることをラミレス監督も明言している。毎年、理想の打撃を追い求める背番号「25」は、今年も新たなフォームをトライ。オープンだったスタンスはスクエアに、重心は低く、前かがみにかまえる。そして右足のステップは、ノーステップ気味になった。2月24日、広島とのオープン戦(宜野湾)では、大瀬良大地から2打数2安打2打点の活躍。「自分の中では感覚がいい」と手応えを感じている。

写真=BBM
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