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球界デキゴトロジー/2月27日

竜史上最高のバットマン、最後の雄姿(2010年2月27日)

 

「私はドラゴンズが大好きです。そしてみなさんは世界一のファンです」とセレモニーでファンに感謝の言葉を述べた


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2010年2月27日だ。

 ナゴヤドームで同日に行われた中日ロッテのオープン戦のチケットは完売。当然とも言うべき結果だろう。なぜならこの日は中日史上最高の成績、栄誉を残した立浪和義氏の引退試合でもあったからだ。

 前年限りで22年間の現役生活を終えた立浪氏。春のキャンプでは解説者1年生としてスーツに身を包み、中日はもちろん、ほかのチームの視察、取材も精力的に行った。

「ユニフォームを着ていないことに、不思議と寂しい気持ちにはなりませんでした。それだけ完全燃焼できたんだと思います」

 現役生活に微塵も未練を残さず、新たなフィールドに立っている立浪氏。少しだけ時計の針を戻し、背番号3がナゴヤドームに帰ってきたのだ。

「一番・指名打者」として1回裏、打席に入った立浪氏を3万2802人が大歓声で迎えた。カメラのフラッシュが無数に放たれるなかでの成瀬善久との勝負。5球目をファウルエリアに打ち上げたが、一塁・福浦和也と捕手・里崎智也は捕らない“粋なプレー”を見せ、実に11球に及んだ打席を二飛で終えた。マウンドの成瀬と握手を交わし、これで背番号3は本当にバットを置いた。

写真=BBM
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