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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

ソフトバンク高卒ルーキー・野村大樹のお気に入りの1本は?

 

春季キャンプ、最後の最後で一軍デビューを果たした野村


 異例の抜てきだった。2月28日に行われた球春みやざきベースボールゲームズ・ロッテ戦(宮崎アイビー)で、ドラフト3位ルーキー・野村大樹が“一軍デビュー”を果たした。B組(二軍)で実戦に入ってから打撃が好調。紅白戦2試合は4打数2安打、3打数1安打。2月17日のセガサミー戦では4打数4安打と打ちまくった。

「昔から実戦に入ると力を発揮するんです。打って、守ってのほうがリズムが生まれて、自分としてもやりやすい」

 非凡な打撃センスを見せる野村は今、理想の“1本”を追求している。といっても、本塁打やヒットの話ではない。『バット』の話だ。2月23日、藤本博史三軍監督に連れられて一軍の特打を見学した後の野村の腕には9本もの新しいバットが抱えられていた。内川聖一松田宣浩福田秀平中村晃今宮健太柳田悠岐高田知季真砂勇介上林誠知。先輩たちからの“プレゼント”だという。

 以前、野村は短いバットを使っていた。それを見た藤本三軍監督が「もう少し長いバットを」と持ってきたのが、上林のバットだった。「上林さんのバットを使い始めてから、すごく調子がよくなりました」と野村。しかし、そのバットがフリー打撃で折れてしまう。すると、一軍練習を見学に行ったタイミングで先輩たちが自分のバットを提供してくれたのだ。

 それから「いろいろなバットを試しています」という野村。さすがにまだ全員のバットは試せていないそうだが、現状でお気に入りの1本を聞いてみると、「柳田さんのバットです」。そして目を輝かせて、こう続けた。

「バランスが良くて、握りもしっくりきました。すごいなと思いました。先輩方のバットの良いところを集めてアレンジして、自分の“1本”を作っていきたいです」

 2月28日の打席では、初球から積極的なスイングを見せるも、カウント2―2から最後は141キロの直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。「まだまだ実力不足」と悔しさをにじませながらも、「筑後(ファーム施設)に戻ってしっかりやりたい」としっかり前を向いている。筑後で先輩たちのバットを振り込んで、導き出した理想の1本とともに、再び一軍を目指す。

文=菅原梨恵 写真=中島奈津子
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