週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

若返りが進むオリックスだからこそ“必要な力”

 

中垣氏(右)に体の使い方の助言を受ける宮崎(左)


 キャンプ、オープン戦の時期は“新戦力”に注目が集まる。彼らの仕上がり次第が、そのまま昨季からの戦力値の上積みになるだけに当然のことだ。ただ、中堅、ベテランといった面々も人知れず汗を流している。

 金子弌大西勇輝中島宏之と、主力流出が相次ぎ、小谷野栄一佐藤達也が引退。それでもオフには最低限の補強しかなかったオリックスは、急速に若返りが進み、複数ポジション争いが展開されている。定位置奪取を期す若手が、ここぞとばかりにアピールする紅白戦が行われるとなれば、観客も報道陣も足を運ぶのは試合開場となるメーン球場のSOKKENスタジアムだ。

 その紅白戦が始まったころ、室内練習場に足を運んでみると、そこには背番号24の姿があった。ファーストストライクから果敢にスイングする、オリックスの元気印・宮崎祐樹だ。

 打撃ゲージでボールを打ち込んだ後、身振り、手振りを交え、今季からパフォーマンス・ディレクターに就任した中垣征一郎氏と会話を交わしていた。宮崎に聞くと「打撃フォームの話をしていたんです。体の使い方ですね」。

 昨季から、左足→右足と小さくステップを踏んだのち、通常のステップを踏む「歩くフォーム」(宮崎)に変えた背番号24は、昨季一軍で3本塁打、ファームで4本塁打をマーク。フォーム変更の理由は「投手とのタイミングが合う」と、いわゆる“シンクロ打法”で長打力がアップした。その一方で「クイックや変化球のときなど、刺し込まれることがあった」と課題も。そこで、今季はよりフォームを習得すべくキャンプでバットを振り込み、中垣氏にも助言を求めていた。

 一昨年は4月に入ってから一番に定着し、4月15勝7敗とチーム好調の原動力に。昨季も5月17日に一軍登録された直後の9試合で打率.321、2本塁打と昇格即、結果を出した。今季も必ず力が必要になるときはくるだろう。

 若返りが進むチームは、裏を返せば経験不足。故障者や不振に陥る選手も出てくるだけに、長いシーズンを戦うには計算のメドは立たない。その場合に頼りになるのが、宮崎のような存在でもあるのだ。

“現有戦力”の成長もチーム力向上に直結するのは間違いない。ただ、“新戦力”とは異なり、脚光を浴びるのは結果を出したあとだ。それでも、努力は怠らない――。それがナインの競争意識を高め、チーム力を向上させていく。補強=戦力アップとは限らない。

文=鶴田成秀 写真=BBM

関連情報

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング