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切り込み隊長は誰? パ・リーグ一番打者事情

 

3月29日の開幕へ向け、オープン戦真っ盛りだが現在、各球団は実戦を通して最適な打順を模索中だ。その中でも打線の切り込み隊長、一番を務めるのは誰になるのか。ここではパ・リーグ各球団の一番打者事情を見ていこう。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 昨季途中から一番に定着し、新人王に輝いたのが田中和基だった。今季もトップバッター候補に挙げられていたが、実戦の守備中に右足首をねん挫して戦線を離脱した。そんな中で注目されているのが高卒4年目の外野手、オコエ瑠偉だ。一番に起用された2月24日のヤクルト戦(浦添)では先頭打者本塁打をマークするなど、パンチ力もアピール中。3月9日の西武戦(倉敷)では「七番・右翼」で先発出場して2安打をマークした。定位置争いが激化する中、「みんなライバル。とにかく結果を出すことにこだわっている」と燃えている。

北海道日本ハムファイターズ



 栗山英樹監督が「特別な存在」と名前を挙げるのが西川遥輝。今シーズンもリードオフマンはこの男が最有力候補だ。昨年は打率こそ.278に終わったが、リーグトップの96四球、44盗塁をマークしてチャンスメークした。課題はスロースターターなこと。毎年3、4月は調子がなかなか上がらないだけに開幕から勢いに乗れれば、本人も「そろそろ獲らないといけないと思っています」という打撃タイトルも見えてくる。侍ジャパンにも初選出された26歳が、そのバットと自慢のスピードで3年ぶりV奪回のキーマンとなる。

福岡ソフトバンクホークス



 三番に柳田悠岐を置くならば、是が非でも出塁して初回から好機を演出することが求められる一番打者。こちらも開幕に向けて試行錯誤の真っ最中だ。筆頭候補は、昨季チームトップの49試合で一番を務めた上林誠知と、同2位の牧原大成だろう。特に牧原は、自分の持ち味を最大限生かせるポジションと考え、「開幕戦に『一番・二塁』で、スタメンで出ることは一番の目標」と語る。3月6日、西武とのオープン戦(ヤフオクドーム)では先頭打者ホームランを放ち、インパクトを残した。しかし、対する上林も9日の侍ジャパン・メキシコ戦(京セラドーム)で一番に入ると、4打数3安打で適性を見せた。どちらもチームに勢いをもたらせてくれる働きが期待できるだけに、打撃の調子、相手投手との相性などによって併用するという可能性も考えられる。

千葉ロッテマリーンズ



“足を絡めた攻撃”を標榜する井口資仁監督にとって一番打者の重要性は高い。しかし、この男が“フル回転”することができれば頭を悩ませることはないだろう。カモメ打線の斬り込み役・荻野貴司だ。開幕から46試合で打率.326、25盗塁をマークしたデビューイヤーを持ち出すまでもなく、スピードと盗塁技術を含めたポテンシャルは誰もが認める。しかし、度重なるケガに悩まされ、いまだ1シーズンを走り切ったことがない。昨季もスタートから好調を維持しながら7月に右手指を骨折してシーズンを終えた。「申し訳ないくらい言い飽きたが、ケガのないシーズンにしたい」という言葉を、今季こそは現実のものにしたい。

埼玉西武ライオンズ


西武・金子侑司


 昨季、三番を担った浅村栄斗が楽天へFA移籍したことで、打線の再編を余儀なくされた西武打線。ぽっかりと空いたクリーンアップの一角に一番・秋山翔吾を組み込む案が浮上したが、それを実現させるためには一番をしっかりと務めることのできる選手が現れることが必須だった。白羽の矢が立ったのは金子侑司。2016年に盗塁王を獲得するなど走塁力は高い。課題は打撃だったが、オープン戦5試合を消化した時点で16打数5安打、四球も5個選び、出塁率は.550。ここまでは一番として十分合格点を与えられる数字を残している。

オリックス・バファローズ



 犠打など小技にも長けて対応力があり、当初は二番起用の構想があった福田周平が候補者不在のリードオフマンを託されるだろう。オープン戦の先発出場全4試合で一番に入り、7安打で打率.467と好調を維持。鋭い打球で外野の間を破れば、果敢に次塁を陥れる好走塁で二塁打2、三塁打1本もマーク。持ち味に俊足も武器にメネセス吉田正尚マレーロらの中軸へしっかりチャンスメークしてつないでいる。二番にも西浦颯大が定着しつつあるだけに、今季は福田・西浦の一・二番コンビが、得点機を多く演出しそうだ。

写真=BBM
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