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週刊ベースボール60周年記念企画

大洋・三原脩監督の異変/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

選手のスタミナ源


表紙は巨人柴田勲



 今回は『1966年6月20日号』。定価は60円だ。
 
 優勝候補の一角と言われながら最下位にどっぷりつかった大洋。
 三原脩監督が精密検査のため入院。監督休養説も流れたが、会見での中部謙吉社長はきっぱり否定した。
「三原がここにきて詫びを言ったってどうにもなりゃせん。こちらからは気にするな、というだけだ。まあ、名人三原を信じるしかない」
 前も書いたことがあるが、この社長、話が面白い。
「それにしても、プロやったらもう少し人の守ってないところに打ったらどうやろ。真っすぐ人のいるところに打って、ついてなかった、なんて。なに言うてんのやというのや。ワシは昔、鯨のもり打ちやったが一発で当てたもんや」
 ちなみに検査の詳細は分からないが、三原は糖尿病が持病で、それが悪化したのでは、と言われた。

 この年、三原監督は開幕前、担当記者との懇談会で、酒も入っていたからか、こんなことを言ったという。
「もし今シーズン3位には入れなきゃ、私は潔くやめます。その代わり、やめるとき中部社長にこういうつもりです。もう野球チームを持つのはやめなさい。この三原がやってダメなものは、誰がやったってダメです、とね」
 いかに球史に残る名将と言えど、これだけの上目線で、しかも結果を出せないとなれば、どうしたって孤立する。

 ちなみに、このときの会見中部社長が「巨人は勝ってくださいと新人を立てたのに、それでも勝てなかった」と嘆いた新人が堀内恒夫だった。

 今回は、派手めの記事がなかったので(いつも?)、選手のスタミナ源を列記して締める。
 巨人・森昌彦「自家製梅酒」、中日小川健太郎「ハチミツ湯」、阪神村山実「朝鮮ニンジンエキス」、大洋・松原誠「九竜虫(食べてるか交尾してるかの虫らしい)」。ほかニンニクが多かった。

 東京・榎本喜八は体重が増えないからと、ほとんど飲めなかったビールにチャレンジ。「体重も増えてきた。調子がいいのもビールのせいかもしれんね」という榎本。
 周囲は「あの堅いエノさんがビールでも飲んで陽気になって冗談の一つでも言ってくれたら、それに越したことはないんだけどな」と言っていた。

 西鉄・田中勉は生卵と牛乳がいいと聞き、先発前日、生卵10個と牛乳4合を一気に流し込んだら下痢で登板不能になったとか。
 何事もほどほどに。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM
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