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週刊ベースボール60周年記念企画

巨人のルーキー、堀内恒夫快進撃/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

堀内の趣味は落語?


表紙は左から巨人王貞治長嶋茂雄


 今回は『1966年6月27日号』。定価は60円だ。

 巨人の新人右腕・堀内恒夫が勝ち始めた。4月14日にプロ初勝利を挙げるも、5日後のゲームで中継ぎ登板した後、二軍落ちしていたが、再昇格後の5月30日の大洋戦でいきなり先発すると、被安打3の完封勝利。その後もトントン拍子で勝ち星を積み上げ、無失点記録も伸ばしていた。

 ちなみに堀内の趣味がパチンコと寄席通い。パチンコでは100円で1時間、2時間と粘り、腕はプロ級。一方、落語は巨人に入ってからの趣味で、ひいきは目玉の大きい桂伸治。地味な古典落語を得意とする噺家だったらしい。

 新人では近鉄の鈴木啓示も株を上げていた。
 6月10日現在3勝だが、近鉄の貧打線を考えれば、上々。6月3日には6連敗中だった南海相手に自慢の快速球で完封勝利を飾った。
 敵将・鶴岡一人が、
「いいピッチャーだ。久しぶりやな、パ・リーグにああいうピッチャーが入ったのは」と言えば、
 前年の三冠王・野村克也も、
「ストレート一点張りで勝負してくるなんて、最近珍しく強気な新人だ。久しぶりに左の本格派がパ・リーグに入ったな」
 ちなみに実家は酒屋。アルコールには強いが、ビールしか飲まないという。
「餃子をつまみに飲むビールの味。これからがシーズンですね」
 18歳の鈴木は青春のシンボルが吹き出した顔で笑う……。
 あれ、18歳?

 6月8日、村山実が1500奪三振を公言どおり巨人・長嶋茂雄から決めた。完封で11勝目を飾った試合であったが、実は前の試合で左足の付け根を痛め、痛み止め注射を2本打っての登板。長嶋は2-2後のフォークボールを豪快に空振り、帽子が脱げ落ちた。
 
 血の気の多いファンが多い広島市民球場でまたも事件があった。
 6月5日、阪神戦だった。広島・山本一義への死球から両軍一触即発となった際、スタンドから次々、物が投げ込まれた。これ自体は珍しいことではないのだが、その中でウイスキーの空瓶が竹元審判の額に当たって大流血となる騒ぎになった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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