昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中(平日のみ)。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 さすが黒柳徹子
今回は『1966年8月8日号』。定価は60円だ。
オールスターが行われ、第1戦は6対2でパ(東京)、第2戦は6対3でパ(甲子園)、第3戦が5対1でセの勝利だった(
広島市民)。
第1戦の東京球場では、佐藤栄作総理が始球式をしたことでも話題となったが、東京・永田雅一オーナーはさらにすごいプランを持っていた。
天皇皇后両陛下、皇太子ご夫妻をまとめて招待しようとしていたのだ。自身の政財界の人脈をフルに使い、一度は宮内庁のOKも出て正式発表目前だったようだが、結局、取りやめとなった。
その期間、那須で静養中だから、というが、それならもっと前に分かってもいいはず。何かあったのか、それとも永田がダメ元でラッパを吹いたのか。
球宴の後、東京・後楽園飯店で
巨人監督・
川上哲治の殿堂入り記念パーティー。就任以来、何かと批判も多かった川上監督だが、勝てば官軍、前年に続き、チームが好調とあって周囲は絶賛の嵐(まあ、祝賀パーティーだから当たり前か)。
あいさつに立った務台読売新聞副社長は、
「川上君は選手の使い方がうまくなった。何も言うことはない。このうえは優勝するのはもちろんアメリカチームとも7回勝てとは言わないが、1回や2回はぜひ勝ってほしい」
とあいさつ。同年オフはドジャーズ来日が予定されていた。
ふたりだけのマジメ対談では、巨人・
国松彰とタレント・黒柳徹子が対談。「まったく野球は分からない」という黒柳がいい味を出している。
まず国松が外野手と聞き、「あの草の生えているところを外野と言うのでしょう」から始まり、練習をお稽古と言ったり、さらには「外野の人はいつも上を向いているのでしょう」。
要はテレビで見ていると、外野が映るのはフライが上がったシーンが多い。だからいつも上を見てボールを待っていると思ったらしい。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM