週刊ベースボールONLINE

平成プロ野球史

セは藤田元司監督復帰の巨人、パは「10.19」の屈辱バネにした近鉄が優勝/平成プロ野球史(元年/1989年編)

 

 新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
 今回からシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。

 この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。

巨人3連敗から4連勝で8年ぶり日本一


胴上げされる巨人・藤田監督


1989年(平成元年)順位表
セ(1巨人2広島3中日4ヤクルト5阪神6大洋)
パ(1近鉄2オリックス3西武4ダイエー5日本ハム6ロッテ
※日本一は巨人

 平成元年、1989年(以下、基本的に西暦表記)は、セ・リーグでは藤田元司監督が復帰した巨人が優勝。11連続完投勝利もあって20勝でブレークした若きエース・斎藤雅樹と、97試合目まで打率4割台をキープしていたクロマティを軸に圧倒的な強さを見せた。

 パ・リーグは前年の「10.19」の雪辱を果たし、近鉄が勝利。本塁打王・ブライアントを軸に打ちまくり、4連覇を続けていた西武、さらにオリックスとの激闘に競り勝った。10月12日の西武戦ダブルヘッダー、ブライアントの4打数連続弾は圧巻だった。

 日本シリーズでは、そのイケイケぶりで墓穴を掘る。第1戦から3連勝で王手をかけながら、その試合の勝利投手、加藤哲郎の「ロッテ(パの最下位)より弱い」の暴言に巨人ナインが奮起。そこから4連敗で日本一を逃している。

MVPは巨人・斎藤雅樹


非常にタフな男だった


本誌選定MVP
斎藤雅樹(巨人)
圧巻の11試合連続完投勝ち!

 サイド転向を指示した藤田元司監督復帰で完全開花。5月10日からの11試合連続完投勝利は見事だった。「ミスター完投」の異名も。

ベストナイン
[先発投手]
斎藤雅樹(巨人)        
30試合20勝7敗0S、防御率1.62

[抑え投手]
津田恒実(広島)        
51試合12勝5敗28S、防御率1.63
150キロ超の快速球で最優秀救援投手に輝いた炎のストッパー

[捕手]
中尾孝義(巨人)        
87試合54安打5本塁打27打点6盗塁、打率.228
中日から移籍1年目。強気のリードで投手陣を引っ張った

[一塁手]
ブーマー(オリックス)     
130試合165安打40本塁打124打点2盗塁、打率.322
前年の故障から復調。首位打者と打点王を獲得した

[二塁手]
正田耕三(広島)       
128試合161安打1本塁打25打点34盗塁、打率.323
3年連続首位打者はならずも打率3位。初の盗塁王に輝く

[三塁手]
落合博満(中日)        
130試合153安打40本塁打116打点4盗塁、打率.309  
中日移籍後、初のタイトルとなる打点王。ホームランも40本に

[遊撃手]
宇野勝(中日)        
119試合133安打25本塁打68打点2盗塁、打率.304
長打力に確実性が加わり、プロ13年目にして打率3割台

[外野手]
クロマティ(巨人)      
124試合166安打15本塁打72打点7盗塁、打率.378
開幕前には引退宣言もあったが、シーズン半ばまで4割台キープ

秋山幸二(西武)        
130試合144安打31本塁打99打点31盗塁、打率.301
30盗塁を初めてクリアし、トリプル3を達成

ブライアント(近鉄)     
129試合140安打49本塁打121打点3盗塁、打率.283
初のホームラン王を獲得。三振も多かったが優勝の最大の功労者

[指名打者]
門田博光(オリックス)    
116試合124安打33本塁打93打点0盗塁、打率.305
ホークスの九州移転後、オリックス移籍1年目。コンスタントに打った

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング