昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 ドラフト注目は江夏豊
今回は『1966年9月12日号』。定価は60円だ。
巨人の大物選手が岐路に立っている。
まずは
広岡達朗。病名は股関節捻挫だが、実際には神経系のマヒ。一時は再起不能と言われたが、吉田増蔵接骨師に治療を受け、少しずつ回復していた。
ただ、広岡は昨年の
イチローのように球場には来るもベンチには入らず。本人は「今シーズンは休んで来シーズン出直したい」と話していた。
2人目は
金田正一。左ひじ痛の離脱からは復帰したが、パッとしない。引退もうわさされていた。残留でも広告収入込みで3000万円以上といわれる給料の大幅ダウンは間違いない。
3人目は8時半の男と言われた前年Vの功労者、
宮田征典。肝機能障害のための入院がすでに2カ月となっていた。
「病気のことは医者に聞いてください。僕はただ寝ているだけですよ」
と宮田。「退院するまで散髪はしない」と語り、髪がボサボサになっていた。
肝臓病といえば、前年を肝臓病で棒に振った巨人3年目の
菅原勝矢が8月21日のサン
ケイ戦で一軍初登板初完封勝利を飾った。
「病気で休んでいたときには気ばかり焦ってしまった。でも、僕には野球しかないんで、ここでくじけてはいけないんだと頑張りました」
ドラフトの注目選手特集もあった。
8月29日が第一次ドラフト会議のリスト提出日。昨年のドラフト会議で指名された社会人選手と、国体出場の高校生選手が二次に回るため、再注目の日石・
平松政次は除外。
争奪戦となりそうなのは、大阪学院大付高の左腕・
江夏豊。快速球が話題で一番熱心なのが
阪神。巨人も1位の予定というが、東海大進学が濃厚とあった。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM