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週刊ベースボール60周年記念企画

巨人・堀内恒夫と中日・広野功の新人王争い/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

松山の西本家の五男は?


表紙は巨人王貞治



 今回は『1966年9月19日号』。定価は60円だ。

 ほぼ巨人優勝で固まったセのペナントレースだが、新人王レースは巨人・堀内恒夫中日広野功でし烈な争いになっている。
 当初は開幕13連勝の堀内独走かと思われたが、調子を落とし、一度二軍落ち。復帰後、1勝を挙げ、9月2日時点で14勝としていた。
 対して、堀内二軍落ちの原因ともいえる逆転サヨナラ満塁弾を浴びせた広野は、固め打ちもあって打率.295、12本塁打まで伸ばしていた。規定打席到達は微妙だが、達すれば堀内ではなく、広野がタイトルをつかむかも、と言われていた。

 理由の一つは成績ではない。成績だけなら、いくらなんでも堀内だ。ただ、広野には「人柄」という武器があった。控え目で愛想よく記者たちに好かれる広野に対し、生意気で知られた堀内では記者投票で差が出てきそうだという(堀内に関しては上げたり下げたりしているが、それらは当時の記事から。まだルーキー・堀内へのマスコミの評価が定まっていなかった、というところか)

 西鉄の兼任監督、中西太が「2つは難しい。今年限りで選手をやめ、監督一本にする」と宣言。ただ、代打で3割近い打率を残し、采配では疑問符もあっただけに、
「やめるなら監督を」
 という声も一部であったらしい。

 ドラフトの注目選手では松山商高のエースで四番・西本明和が紹介されていた。夏の大会で準優勝、国体では優勝した右腕だ。

 高校は松山市内に下宿して通っていたが、生家は興居島。松山の高浜港からフェリーで行き、さらに港から徒歩30分ほどにあった。

 長男は中学時代投手で松山市内の大会で優勝経験あり、次男は角界入りし序二段で優勝もケガで廃業。三男が明和で、四男の正夫も中学でエース、さらに小学4年生の三男も野球に夢中という。
「あそこの子どもたちは赤ん坊のころからボールを投げている」
 とは近所の評判。ちなみにこの五男がのち巨人の西本聖である。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM
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