広島との開幕戦は7回4安打1失点の好投も、援護なく敗戦投手となった巨人の菅野智之。本日4月5日のDeNA戦で初勝利を狙う
4月4日、巨人のドラフト1位ルーキー・
高橋優貴が
阪神戦(東京ドーム)でプロ初勝利を挙げた。球団の大卒新人では60年の
青木宥明以来、実に59年ぶりの初登板初先発初勝利だという。打線も連夜の大当たりで、この日は今季最多15安打10得点でルーキーを援護。本拠地開幕カードであった伝統の一戦を3戦全勝とし、これで広島での開幕第2戦から5連勝、V奪回を狙うチームは首位を快走中だ。
この日の勝利を菅野智之はどのような思いで見ていただろうか。
3月29日の広島との開幕戦(マツダ広島)に先発(開幕投手は2年連続5度目)した右腕は7回4安打1失点も、打線が広島先発・
大瀬良大地の前に沈黙。好投むなしく敗戦投手となり、「結果的に僕が点(
安部友裕にソロ本塁打を被弾)を与えなければ負けなかった」と反省を口にした。
あれから1週間。4月5日、DeNA戦(横浜)に今季2度目の登板を迎える。開幕戦の敗戦以降、連勝を続けるチームに対して「流れ、勢いに乗りたいと思います。まずはチームが勝つこと」と話した菅野だが、「そのために0点に抑えるということを全うしたい」とキッパリ。完封負けだった開幕戦を除き、ここまでのチームの5勝はすべて5得点以上を挙げて打線が投手陣を強力援護しているが、「0点に抑える」という言葉にエースの矜持が見え隠れする。
昨季は開幕から2戦連続で5失点を喫し、「もう、勝てないかもしれない」と弱音を吐いたこともあったが、見事なリアクションで投手主要3冠。2年連続の沢村賞を、7項目の選考基準をオールクリアで受賞している。そんな昨季よりも「圧倒的にコンディションがいい」状態で開幕を迎えた2019年のターゲットは、20勝、3年連続沢村賞(もちろん基準全クリア)、そしてリーグ優勝。
金曜日にローテーションを回る限り、相手もエースクラスであることは濃厚(5日のDeNA戦も左腕エースの
今永昇太が相手)だが、そんな環境も含めてチームに勝利をもたらすのが役割であることを理解している。まずは今夜、右腕はどんな投球を見せてくれるか。楽しみだ。
文=坂本 匠 写真=前島 進