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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

伊藤智仁コーチと成功体験を積み重ねて歩む楽天・石橋良太のリリーフ人生

 

4月4日の日本ハム戦、本拠地で勝利投手となり銀次(右)とともにお立ち台で「バーン」を披露した石橋


 楽天のリリーフ陣にまた一人、強力な存在が出てきた。4年目右腕の石橋良太。中継ぎながら開幕3戦目のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利を挙げると、4月4日の日本ハム戦にはホームでも勝ち投手となり、お立ち台へ。だが、今季の始まりは最悪だった。開幕戦で二死一、二塁の6回に登板し、レアードに痛恨の逆転3ラン。敗戦投手になっていたのだ。

 今季からチームに加入した伊藤智仁コーチは「勝負している以上、打たれることもあります。(初戦では)結果打たれましたけど、しっかり勝負していたという部分で評価はしていました」と開幕戦での石橋の登板を振り返った。降板後、リリーフピッチャーとしての心構えついて話したという。

 伊藤コーチはヤクルト時代にも石山泰稚秋吉亮(現日本ハム)らを試合で使い続け、独り立ちさせてきた実績を持つ。「打たれると気持ち的にも沈みがちですけど、ゲームで投げないとなかなか自信もつかないですから」と石橋に再びチャンスを与える。すると敗戦投手となってから中1日で3回途中からリリーフ登板し、5回まで1安打無失点の好投。嫌な流れを断ち切り、チームを勝利へと導いた。

「マウンド上で冷静に自己分析、相手の分析ができていた」と伊藤コーチ。そして、その結果をまるで当然かのように語る。

「彼が初勝利ということにもまずビックリ。本当にいいピッチャーという位置づけでしか見ていないので。育成に落ちたとか、僕は彼に対して固定概念はまったくない。まっさらな目で見られるというのもあるんじゃないかなと思います」

 明徳義塾高から拓大、Hondaを経て2016年ドラフト5位で楽天に入団した石橋。1年目に6試合の登板も、2年目は一軍に上がることができなかった。3年目の昨年は育成契約となり、7月末に支配下に返り咲いていたが、伊藤コーチは高い評価を与えている。

「投げっぷりがいいですし、インサイドへのコントロールもよく、球も強い。シュートの対になるカットボールもキレがありますし、非常に魅力的なピッチャー。いいリリーフピッチャーになるんじゃないかなと思いますけどね」

 26歳のリリーバー右腕のプロ野球人生は始まったばかりだ。新コーチとともに成功体験を積み重ね、自信も武器にしていく。

文=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎
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