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“161キロ男”国吉佑樹が170キロを出す可能性もある根拠とは?

 

4月6日の巨人戦で161キロをマークした国吉


「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回はDeNA国吉佑樹投手についてお話しさせていただきます。

 国吉投手が4月6日の巨人戦(横浜)で日本人2位タイ記録の161キロをマークしました。私がDeNAでコンディショニングトレーナーを務めていたときにサポートしましたが、当時から身長196センチと身長が高く、体の線は細かったですが潜在能力、特にパワーは群を抜いていました。

 重さ2キロのメディシンボールを真上に投げ、そのボールの滞空時間を計測するトレーニングがあったのですが、高卒の選手は滞空時間が2.5秒いかないぐらいなのに、彼は優に3秒を超えていました。これは2〜3メートルは他の選手より高くボールを上げられないと記録できません。持っているエンジンの大きさが違うなと感じさせられましたね。

 若手のときは精神的に弱い部分もありましたが、トレーニングや食事など一度決めたら徹底的に貫く性格でした。不器用でいろいろなことをソツなくこなすタイプではないですが、愚直にコツコツ努力できたからこそ160キロを超える直球を投げられたのだと思います。

 個人的には我慢強く起用し続けたDeNAもすごいと思います。国吉選手は育成から支配下昇格して3年目には開幕先発ローテーションに入りましたが、その後は手元で球を動かすタイプにモデルチェンジしようとするなど試行錯誤して結果が出ていませんでした。それでも、球団は戦力構想外にせず、他球団に移籍させなかったのは国吉投手に大きな可能性を感じていたからだと思います。

 国吉投手がインスタグラムで載せていた写真に体重が105.6キロ、筋肉量が87.8キロ、体脂肪量が12.0キロと掲載されていました。この筋肉量を見て衝撃を受けました。一般の人で体重70キロの場合、筋肉量は半分の30〜35キロぐらいでしょうか。国吉投手の筋肉量の数値は体重の8割以上。これはプロアスリートの中でもケタ違いの数値です。積んでいるエンジンの大きさが規格外なので、その力をうまく球に伝わる技術を身に付ければ、さらに球速は伸びると思います。

 プロ10年目の27歳ですが、まだまだ完成された投手ではなく発展途上だと思います。言い換えればそれだけのびしろがあるということです。今後、エンゼルスの大谷翔平投手が計測した日本人最速の165キロどころか、170キロを出せる可能性が十分にあると思います。

文=インプレッション・平尾類 写真=井田新輔
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