新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
今回からシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。
この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。
なお、当連載は土日は休み。
ヤクルトが開幕戦から波に乗る
1997年(平成9年)
セ(1ヤクルト2横浜3
広島4巨人5
阪神6
中日)
パ(1
西武2
オリックス3近鉄4
日本ハム4ダイエー6
ロッテ)
※日本一はヤクルト
セの優勝候補は前年の覇者で、さらに西武から
清原和博、近鉄から
石井浩郎、ロッテからヒルマンら33億円補強を行った巨人だった。
しかし、開幕戦で異変が起こる。
東京ドームのヤクルト戦、巨人・
長嶋茂雄監督は、これまで3年連続開幕戦完封勝利の
斎藤雅樹をマウンドに送ったが、広島から移籍の
小早川毅彦がなんと3打席連続本塁打でKO。
ヤクルトは、その勢いのままペナントレースを走り、一度も首位を譲らぬままゴールを切った。
そのヤクルトに一時期、あと一歩まで迫ったのが、8月を20勝6敗と勝ちまくった横浜。大魔神・
佐々木主浩の圧巻ともいえる安定感が支柱だった。
しかし9月2日、直接対決で
石井一久からノーヒットノーランを食らって、一気に勢いを失った。
パではオフに清原がFAで去った中で、
東尾修監督がスター集団の「横綱相撲」から「機動力野球」に切り替えた西武が優勝。
松井稼頭央、
大友進、
高木大成の一、二、三番が117盗塁と走りまくった。
しかし日本シリーズでは野球巧者ヤクルトに及ばなかった。
MVPはヤクルトの古田敦也
絶対的エース不在の投手陣をしっかりリード
1997年(平成9年)
本誌選定MVP
古田敦也(ヤクルト) 四番も打って攻守の軸に
チームとしては小粒な印象がありながら圧倒的優勝候補巨人を破ってセの覇者となったヤクルトから古田をMVPに選んだ。
野村再生工場と言われ、
田畑一也、
吉井理人らが活躍したシーズンだが、獲得、抜てきしたのは
野村克也監督でも、試合の中で、それを引き出したのは古田だった。
全試合でマスクをかぶり、打っても打率.322でチームをけん引。リーグ優勝、日本一のけん引役となった。
本誌選定ベストナイン
[先発投手]
西口文也(西武)
32試合15勝5敗1S、防御率3.12
独特のスライダーを駆使し、最多勝、最高勝率
[抑え投手]
佐々木主浩(横浜)
49試合3勝0敗38S、防御率0.90
夏場に関しては翌98年以上だったかもしれない。60イニングで99奪三振
[捕手]
古田敦也(ヤクルト)
137試合164安打9本塁打86打点9盗塁、打率.322
[一塁手]
ロペス(広島)
134試合170安打30本塁打112打点0盗塁、打率.320
勝負強い打撃で2年連続打点王
[二塁手]
小久保裕紀(ダイエー)
135試合159安打36本塁打114打点4盗塁、打率.302
2年ぶりの全試合出場で打点王に。一塁、三塁も守った
[三塁手]
鈴木健(西武)
133試合147安打19本塁打94打点2盗塁、打率.312
清原の後の四番に座り、自己最高の成績で優勝に貢献
[遊撃手]
松井稼頭央(西武)
135試合178安打7本塁打63打点62盗塁、打率.309
一番打者として初の打率3割超えで盗塁王にも
[外野手]
イチロー(オリックス)
135試合185安打17本塁打91打点39盗塁、打率.345
貫禄の4年連続首位打者。打点は自己最多
松井秀喜(巨人)
135試合144安打37本塁打103打点9盗塁、打率.298
本塁打、打点もあとわずかでタイトル逃す。すごみは増した
鈴木尚典(横浜)
125試合160安打21本塁打83打点11盗塁、打率.335
三番打者に定着し、初の首位打者。勝負強さも光った
[指名打者]
マルティネス(西武)
130試合149安打31本塁打108打点3盗塁、打率.305
太目ながら意外と器用な打撃見せた。五番で108打点