新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
今回はシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。
この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。
なお、当連載は土日は休み。
大魔神とマシンガン打線で横浜セを席捲
リーグ優勝時の権藤監督胴上げ
1998年(平成10年)
セ(1横浜2
中日3
巨人4
ヤクルト5
広島6
阪神)
パ(1
西武2
日本ハム3
オリックス4ダイエー5近鉄6
ロッテ)
※日本一は横浜
1998年の主役は「横浜」だった。
セでは「俺を監督と呼ぶな」と選手、マスコミに言った
権藤博“さん”の下、横浜が自由自在の野球を見せる。
打っては、つながり出すと止まらない「マシンガン打線」、投げては、大魔神と呼ばれた絶対的守護神・
佐々木主浩を軸に継投野球を確立させ、勝ちまくり、38年ぶりの優勝を飾った。
2位には新人・
川上憲伸が14勝を挙げた中日。その川上と大学時代から名勝負を繰り広げた
高橋由伸が活躍した巨人は、
清原和博の不振、夏場には「
ガルベス事件」もあって3位に終わった。
パは当初、ビッグバン打線の日本ハムが走ったが、夏場の失速で一気に大混戦に。最終的には一時日本ハムに10ゲーム差をつけられていた西武が抜けだした。
日本シリーズでも横浜が西武を4勝2敗で下し、勝利。同年は甲子園でも横浜高が春夏連覇。まさに「横浜の年」となった。
MVPは横浜の佐々木主浩
あまりに圧倒的だった
1998年(平成10年)
本誌選定MVP
佐々木主浩(横浜) 史上最強のクローザー
やはりMVPは佐々木しかいない。51試合に投げ、1勝45セーブ、防御率は0.64の安定感。150キロ前後の剛速球と魔球フォークの切れ味はすさまじく、打者がヒットを打っただけで球場がどよめくほど。相手チームは、佐々木が出たら終わりと焦り、墓穴を掘る展開もあった。
本誌選定ベストナイン
[先発投手]
川崎憲次郎(ヤクルト)
27試合17勝10敗0S、防御率3.04
チームは4位だったが、故障から
シュートを覚え復活、最多勝と沢村賞を獲得した
[抑え投手]
佐々木主浩(横浜)
51試合1勝1敗45S、防御率0.64
[捕手]
谷繁元信(横浜)
134試合117安打14本塁打55打点1盗塁、打率.254
多彩なリリーフ陣をうまくリード。打の貢献も大
[一塁手]
クラーク(近鉄)
135試合170安打31本塁打114打点0盗塁、打率.320
勝負強さが光った。48二塁打は当時の日本新記録
[二塁手]
ローズ(横浜)
124試合152安打19本塁打96打点2盗塁、打率.325
不動の四番打者としてマシンガン打線の中核を担った。守備もうまい
[三塁手]
片岡篤史(日本ハム)
133試合140安打17本塁打83打点2盗塁、打率300
三番打者としてビッグバン打線を支えた。四球114もすごい
[遊撃手]
石井琢朗(横浜)
135試合174安打7本塁打48打点39盗塁、打率.314
マシンガン打線の斬り込み隊長。精神的支柱でもあった
[外野手]
イチロー(オリックス)
135試合181安打13本塁打71打点11盗塁、打率.358
プロ野球史上初となる5年連続首位打者
松井秀喜(巨人)
135試合142安打34本塁打100打点3盗塁、打率.292
故障もあって出遅れたが、本塁打、打点の2冠に
鈴木尚典(横浜)
131試合173安打16本塁打87打点3盗塁、打率.337
不動の三番打者として2年連続首位打者
[指名打者]
ウィルソン(日本ハム)
133試合129安打33本塁打124打点1盗塁、打率.255
2年連続本塁打王。打率は低いが、勝負強い打撃を誇った