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パ・リーグ6球団、キャッチャー事情

 

優勝チームには名捕手あり、という。ペナントレースが開幕から1カ月が経とうとしているが、果たして扇の要は各球団、機能しているのか。ここではパ・リーグ各球団のキャッチャー事情を見ていこう。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 2013年、球団初のリーグ優勝、日本一を経験した扇の要、嶋基宏がキャリア13年目と今季も健在だ。4月21日のオリックス戦(楽天生命パーク)では2回二死一塁から甘く入った速球を左翼席へ運ぶ先制2ラン。守っても釜田佳直を好リードし、2年ぶりの白星につなげた。その一方で停滞しているのは第2捕手の台頭だ。中堅では足立祐一山下斐紹、若手では堀内謙伍石原彪、さらにはルーキーの太田光、リハビリ中の岡島豪郎もいるが、いずれも決め手を欠く状況。次代の正捕手育成が急務となっている。

福岡ソフトバンクホークス



 高谷裕亮、甲斐拓也、栗原陵矢と3人体制の捕手陣だが、全試合でスタメンマスクをかぶるのが甲斐だ。しかし、悩める日々を過ごしている。昨季の日本シリーズで全国区となった“甲斐キャノン”は今季も健在。ファンを沸かせているが、バットのほうは……。4月21日現在、打率.200と苦しんでいる。しかし、20日の西武戦(メットライフ)で今季初のマルチ安打をマークすると、21日の同戦でも先制ホームランを含む連日のマルチで3打点と気を吐いた。「打つほうでもっと貢献できるようにしたい」と意気込む甲斐。守れるだけじゃなくて、バットで投手を助けられてこそ、本当の女房役だ。

埼玉西武ライオンズ


西武・森友哉


 現在、一軍で森友哉と岡田雅利の捕手2人体制を敷くが、メーンは森だ。「スタメンマスク100試合以上」を掲げて臨んだ森は今季、4月22日現在、19試合中18試合で捕手としてスターティングオーダーに名を連ねている。「打てる捕手」になることも理想としているが、卓越したバットコントロールで打率.339をマークして首位打者を快走。五番打者として存在感を発揮している。盗塁阻止率.435も素晴らしい。しかし、「バッテリーで勝つ試合を増やしたい」という目標は達成できていない。チーム防御率4.54はリーグ最下位。21日のソフトバンク戦(メットライフ)では7回までに11失点を喫し、ベンチに下がった。経験を積んで配球面のレベルアップを図るしかない。

オリックス・バファローズ


オリックス・若月健矢


 今季から選手会長を務める若月健矢が、開幕から全試合でスタメンマスクをかぶっている。弱冠23歳の正捕手は、若い投手陣をリードでけん引するだけでなく、盗塁阻止率.545とハイアベレージを記録。打っては打率こそ1割台ながら、4月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)で本塁打を放ち、17日の日本ハム戦(京セラドーム)では適時打を放って、先発・榊原翼のプロ初勝利を呼び込んだ。さらに打力が勝る伏見寅威は代打での起用が多く、試合終盤には経験豊富なベテラン・山崎勝己が守備に就くなど、捕手3人体制の役割は明確だ。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・清水優心


 正捕手不在──。チームが固定できないでいるウイークポイントのポジションの1つがキャッチャーだ。開幕からベテランの鶴岡慎也石川亮の併用が続いているが、どちらも1年を任せられるだけの結果を残すまでのアピールまではいっていないのが現状。その中で救世主となりそうなのが5年目の清水優心。キャンプイン前の1月下頃に腰の手術に踏み切り、精力的なリハビリですでにイースタンの試合で実戦復帰も果たした。順調にいけば5月には一軍合流となりそうなだけに、清水を加えて誰が正捕手の座を手にするのか。三者三様の個性を持つ争いから目が離せない。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・田村龍弘


 若き正捕手の座が安泰ではなくなってきている。昨季は捕手として143試合にフル出場を果たした田村龍弘。今季も開幕スタメンの座は守ったものの、細かなミスが散見され、先発マスクを吉田裕太江村直也に譲る試合も出てきている。何より、打てない。打率は1割台に低迷し、打線を寸断してしまっている。八番だった打順も九番に下がった。随所に素早いスローイングと強肩ぶりを見せつけてはいるが、井口資仁監督は「投手との相性で考える」と田村が絶対的な存在ではないことを明かしながら、さらなる奮起を促している。

写真=BBM
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