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DeNA浮上のヒントに 野手最年長・石川雄洋が示した「つなぎ」の重要性

 

4月29日巨人戦(東京ドーム)、連敗を10で止める活躍を見せた石川


「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回はDeNA石川雄洋選手についてお話しさせていただきます。
 
 戦前は下馬評が高かったDeNAが苦しんでいます。4月16日の中日戦(ナゴヤドーム)から10連敗を喫するなど投打の歯車がかみ合わない中、窮地を救ったのは野手最年長の石川雄洋選手でした。開幕からファーム暮らしが続いていましたが、「二番・二塁」で今季初出場した29日の巨人戦(東京ドーム)で決勝2ランを放つなど猛打賞の活躍。決勝弾がフォーカスされますが、3回は一死一塁でヒットエンドランのサインにボールを叩きつける右前打で一、三塁と好機を拡大。先制点の呼び水になると、5回も当たりそこないの三塁への打球で全力疾走して内野安打。石川選手らしい泥臭い安打でした。

 私がDeNAのコンディショニングコーチだったとき、石川選手は良し悪しをひっくるめて「DeNAを象徴する選手」でした。チームが低迷する時代で主力として試合に出続け、DeNAの初代主将も務めました。若返りを図るチーム構想で出場機会が減っても試合に出れば雰囲気を変えられる不思議な力を持っている。野手最年長ですが後輩に慕われていて、古参のスタッフも「石川がヘッドスライディングとか体を張ったプレーをするのでチームがすごく盛り上がるんですよ。影響力が強い選手なんです」と話していましたが、実際にそのとおりだと思います。

 29日の本塁打を打ったときもベンチがお祭りムードで活気づいていました。スタンドには涙を流すファンの姿もいました。口数が決して多くなく、感情表現も不器用なため誤解されやすいですが、非常に人間味のある選手です。DeNA一筋で今年が15年目ですが、弱い時期も強い時期も知っているので、若手主体のチームでこの経験値は貴重だと思います。

 DeNAは戦力的に見れば、非常に豪華なように感じます。特に昨年本塁打王・ソト選手、不動の四番・筒香嘉智選手、チャンスに強いロペス選手、17年首位打者・宮崎敏郎選手と中軸の破壊力はリーグ屈指です。巻き返しへ、カギを握るのは二番打者だと思います。石川選手が巨人戦で見せた活躍は今後のチームの方向性にヒントを与えたと思います。機動力や小細工を使った野球は相手の神経を消耗させますし、凡打しても球数を投げさせる役割ができる選手が今のDeNAには必要だと思います。石川選手や柴田竜拓選手はこの役割ができる選手ですし、起爆剤になってほしいですね。

文=インプレッション・平尾類

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