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若鷹の前にそびえ立つソフトバンク・松田宣浩

 

通算1500安打に続き、250本塁打も達成した松田宣


 打球は左中間スタンドに飛び込んだ。5月3日の楽天戦(ヤフオクドーム)の初回、松田宣浩がチーム“令和”1号となるホームランを放った。これが自身通算250号。ゴールデンウイークとあって球場を埋め尽くした超満員の観客と一緒に恒例の「熱男ー!」パフォーマンスを行うと、記念ボードを掲げて声援に頭を下げた。

 思えば、今季チーム1号ホームランも松田宣だった。3月29日の開幕戦(西武戦、ヤフオクドーム)の第1打席。しかも、このときも通算1500安打という自身のメモリアルと重なった。持っている男は違う。そこから5月3日現在、打率は.270ながら本塁打は7本と、今季の松田宣は例年以上に元気だ。

 14年目を迎えた2019年シーズン、強い思いがあった。昨季のポストシーズン、調子を落とした松田宣はスタメンから外される。「打てなくて代えられたのは、ルーキー時代に二軍落ちしたときくらいの悔しさ」。08年にレギュラーをつかんで以来、ケガでの離脱以外で味わう初めての屈辱だった。

 しかし、ここで腐らないのが熱男だ。

「19年以降『見とけよ!』という思いです。ダメじゃないかと言う人もいるんですけど、僕はまだまだこれからだし、もっとキャリアハイの成績を残せるくらいやったろ、と。たくさんのモチベーションがある。とにかくいろいろな経験したんでプラスに考えてやっていきたいなと思うし、19年、自分の中でも楽しみにしていきたい」

 ここ数年、叫ばれる世代交代に関しても、「僕はその波に逆らっていきたい。ポジション争いは力と力のぶつかり合い。まだまだ高い壁でありたいです」と笑顔を見せた。

 35歳を超えても進化は止まない。松田宣の壁はまだまだ高くなりそうだ。

文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭
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