試合後に2000安打の記念ボードを掲げた谷繁
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2013年5月6日だ。
神宮球場で行われた
ヤクルト戦で
中日の
谷繁元信は4回に一時同点となる左翼線2点適時打。これで通算安打を1999とし、偉業へ王手をかけて6回、打席に入った。「先頭だから塁に出ようとだけ考えていた」と平常心でマウンドの
押本健彦と対した谷繁は見事に右前打を放った。
「ああ、打ったんだな、と。何かを感じるかなと思ったけど、いつもと一緒でしたね」
史上44人目となる2000安打を達成した瞬間も、いたって冷静だった。この2000安打にはいくつかの枕詞がつく。42歳4ヵ月での達成は史上最年長(当時)、2803試合での達成は史上最遅。さらに捕手としては
野村克也氏、
古田敦也氏に続く史上3人目の快挙だ。この最年長、最遅が、谷繁のすごさを表している。
「僕はクリーンアップを打ったわけではなく、七、八番でコツコツとやってきたものの積み重ねです」
そう冷静に語る谷繁に、試合終了後には中日ファンが待つレフトスタンドだけでなく、ライトスタンドからも大記録を祝福する大きな
コールが沸き起こった。
写真=BBM