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週べ60周年記念

堀内恒夫、ベロビーチ落選/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

雪に苦しむ大洋、東映、東京


表紙は巨人王貞治



 今回は『1967年3月6日号』。定価は60円。

 ベロビーチ出発前の巨人宮崎キャンプに多摩川スタートの主力が合流。連日3000人以上の観客が集まって大盛況となった。

 一番人気はやはり長嶋茂雄。とにかく明るい。
 2月12日、宮崎に到着した後、主力選手は宮崎神宮に参拝にいったのだが、巫女さんからお神酒をつがれ、飲み干した後、いたずらの虫が騒いだが、
「お酌しましょう。あなたもどうぞ」
 とやった。見ていたお客さんがどっと笑い、巫女さんが真っ赤に。さすがの長嶋も気の毒になったか「ああ、俺は酔っぱらったよ」と鳥居の外にダッシュ。ここでまた、沸いた。

 一方、表情が暗いのが、ベロビーチ行きに落選した2年目の堀内恒夫だ。
 腰痛が理由に挙げられていたが、一部からは何かと不遜な言動が目立つ堀内に対する首脳陣の「お灸」ではないか、とも言われていた。

 この年、太平洋側は大雪だったらしい。たたられたのが、まず大洋。 
 静岡草薙でキャンプをしていたのだが、12日から22年ぶりという大雪になり、急きょ関西への避難を決めた。
 急きょ高知安芸でキャンプをしていた阪神の本拠地甲子園を借りることにし、大阪へと移動。しかし初日はこちらも雪で練習にならず、16日からは草薙に戻った。移動費用ほか100万円とも言われた。

 同じく静岡の伊東でキャンプしていた東映も大雪で練習できなくなったが、こちらは現地で様子を見て、何日かは選手総出でグラウンドの雪かきをした。
 練習にはならなかったが、その後の温泉が気持ちよく「いい気分転換になったよ」とも。ただ、慣れない運動で大部分の選手はしばらく筋肉痛になったらしい。

 関東も大雪。
 東京は埼玉県西川口の二軍練習場でのキャンプだった。みな自宅や選手寮からの通いである。しかも無断欠勤は3万円、遅刻は1万円の罰金。大雪でマイカー族は“通勤”にかなり苦労したようだ。
 東京はこの後、ハワイキャンプが予定されていた。

 南海に入団したブレイザーが呉のキャンプに合流。

 当時の南海キャンプの特徴はサーキットトレーニングだった。ランニングの合間にいろいろなトレーニングをするというものだが、バーベル、鉄アレイ、鉄棒、ハードル跳びあたりは、まだわかるが、まき割りや丸太たたきとなるとブレイザーの顔にハテナマークが浮かびはじめ、バットで芝をたたけと言われたときは、本気で驚いていた。 

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM
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