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ソフトバンク・高橋礼ににじむ先発投手としての自覚

 

5月17日時点でリーグトップタイ5勝の高橋礼


 2年目のサブマリン右腕が躍動している。5月16日の西武戦(ヤフオクドーム)に先発した高橋礼は、持ち味の真っ直ぐで押していくスタイルとテンポのいい投球を披露。自身最長となる8回を投げ抜き(1失点)、今季5勝目を挙げた。しかも、開幕から負けなし。ケガ人を抱えながらも首位を走るチームの勝ち頭だ。

 昨季、一軍登板の多くは中継ぎ要員だった。先発は4月22日の日本ハム戦(札幌ドーム)と、シーズン終盤に3試合(うち1試合は西武とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第5戦)。今季を迎えるにあたって、石川柊太のように先発・中継ぎの“二刀流”という選択肢もあったが、春季キャンプ中に聞いた高橋礼の目標は「先発でいきたい」だった。

「先発はその試合を決められるというか、中継ぎ以上に試合の責任を感じられるポジションかなと思います。ピッチャーとして試合の責任を背負ってみたいです」

 ただ、先発ローテーション入りを力強く語った一方で、ローテ入り後の具体的な数字の目標にまで話が及ぶと、「ないです。だって、先発外されるかもしれないですし……」。

 先発での自分に不透明さも感じながらも、開幕ローテをつかんだ高橋礼。6戦5勝負けなしの活躍ぶりには、もちろん先輩たちの強力な援護のおかげもあるのだが、高橋礼自身も6回1失点、7回無失点、7回1失点、5回2失点、5回3失点、8回1失点と、しっかりと試合を作っている。

 2連勝したタイミングで再び、具体的な数字の目標を聞いてみた。「2ケタ勝ちたいですね」と、笑顔で手応えも感じている様子。とはいえ、次の瞬間には「でも、ローテを守るのは簡単ではない」。気を引き締めた姿に、先発投手としての自覚がにじんでいた。

 目標の2ケタ勝利までは、すでにあと半分だ。この勢いならオールスター前にクリアしてしまうかもしれない。だが、ぐんぐんと成長を続ける高橋礼のこと。また次の目標を見つけて、力強い投球でチームをけん引してくれるだろう。

文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭
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