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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

優勝のために奮闘を誓う楽天“岩出山の星”

 

5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利を挙げた今野


 今季の楽天はいまだ、先発投手が完投した試合がなく(5月20日時点)、リリーフ陣の奮闘が際立っている。そんな中、またしてもリリーフ投手からプロ初勝利の投手が誕生した。5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で入団6年目の今野龍太が6回から2イニングをノーヒットに抑えプロ初勝利。3月31日の石橋良太に続き2人目のプロ初勝利となった。

「今年こそはという気持ちだった。本当に長かった」とウイニングボールを手に笑顔を見せた今野。楽天で本拠地・宮城県出身の生え抜き選手としては初の勝利投手となり、地元ファンにとってもうれしい1勝となった。

 岩出山高出身の今野は2014年ドラフト9位で楽天に入団。宮城県の高校から楽天に入団した初めてのプロ野球選手だった。チャンスはすぐに訪れ、1年目に一軍デビュー。しかし、5試合で防御率8.44と結果は残せなかった。そんな中、15年に右ヒザ外側半月板の縫合手術を受け、育成契約となってしまう。

 手術直後は「元の状態に戻れるのか」という不安もあったが、それでも「岩出山の星」と期待してくれた地元のファンや仲間のため、懸命なリハビリで17年4月に支配下へと復帰を果たした。その年は1試合のみの登板だったが18年は3試合で防御率1.80。徐々にではあるが手ごたえをつかみ、初勝利へとつながった。「プロで初勝利ができて本当によかった」。気がつけば6年という時間が過ぎていた。

 ヒーローインタビューでは「6年間、いい成績を残せていないので今年はしっかりチームに貢献できるように頑張りたいと思っています。星野さんのためにもしっかり活躍して、チームが優勝できるように頑張りたい」と誓った今野。ドラフト前日、当時監督だった星野仙一氏の一声で指名が決まった。時間はかかったがまだ24歳。ここからが本当のスタートだ。

 プロへの扉を開けてくれた闘将と、リハビリに励んでいた16、17年に二軍監督を務め、プロ初勝利を間近で見守ってくれた平石洋介監督への感謝はこれから結果で示していく。

文=阿部ちはる 写真=高塩隆
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