週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

3割を超えた年もある! 巨人が優勝したシーズンの「下位打線の成績」

 

現在、主に巨人の六、七、八番を務めるゲレーロ、山本、小林(左から)


 一般的に、チームの攻撃はクリーンアップを含めた上位打線が担うもの。しかし、上位打線頼みの「攻撃に厚みのないチーム」は、長いシーズンを戦いきれず、優勝争いからも脱落してしまうことが多い。やはりしっかりと下位打線も活躍することが、優勝するためのポイントといえる。

 実際に2018年シーズンのリーグ優勝チームである広島西武は、下位打線もコンスタントに得点を奪う「怖さ」があった。今シーズン、5年ぶりの優勝を目指している巨人だが、なかなか下位打線が固まらず、正直そこまで怖さがないのが実情。では、過去に巨人が優勝したシーズンの下位打線はどんな陣容だったのだろうか。

中には下位打線の平均打率が3割を超えるシーズンも……


優勝した年の下位打線(六・七・八番)の平均打率


 2リーグ制となった1950年以降、巨人は36回リーグ優勝を果たしている。それぞれのシーズンで主に六〜八番を担った選手を調べ、打率と安打数・本塁打数・打点数・盗塁数をグラフにまとめてみた。
※「主に担った選手」は出場試合数を元に選出

 最も攻撃力があったのが(2)の1987年。六番の吉村禎章と七番の中畑清が打率3割を超えており(このシーズンは三番から七番まで3割を超えていた)、八番の山倉和博も22本の本塁打を放つなど下位打線とは思えないような攻撃力だった。もちろんチームも絶好調で、最終的に2位の中日に8ゲーム差をつけている。ちなみにこの年のオフに江川卓が電撃引退している。

 また、(3)の2009年も.297と下位打線3人の平均打率が高い年だった。七番の阿部慎之助が本塁打32本、打率も.293と活躍し、シーズン中盤から六番を多く任された谷佳知も、規定打席に届かないながらも101試合に出場し、打率.331とハイアベレージを残した。

 一方、最も攻撃力が低かったのが、川上哲治が監督に就任した最初の年となった(1)の1961年。主に六番を務めた森祗晶、七番を務めた広岡達朗は守備ではチームに貢献したが攻撃では結果を残せず。移籍した土屋正孝の後継として期待された藤本伸も厳しい成績だった。攻撃力の乏しい下位打線だったが、四番の長嶋茂雄がチームを牽引し、なんとか1ゲーム差で優勝している。

優勝した36シーズンの平均値は?


優勝した年の下位打線(六・七・八番)の打撃成績


 2リーグ制になって以降の優勝シーズンの「下位打線の成績の平均値」は以下のようになっている。

●優勝した36シーズンの下位打線成績の平均値

安打数:265.4
本塁打数:27.6
打点数:126.1
盗塁数:21.0
打率:.256

 3人の合計とはいえ、本塁打27.6本、打率.256とかなり高いアベレージになっている。下位打線だけでここまで高い数字を残すことができれば、相当な攻撃力のある打線といえるだろう。ちなみに67勝71敗5分で3位に終わった2018年シーズンはというと……。

六番 亀井善行 123試合 安打:107 本塁打:13 打点:49 盗塁:4 打率:.254
七番 長野久義 116試合 安打:111 本塁打:13 打点:52 盗塁:3 打率:.290
八番 小林誠司 119試合 安打:58 本塁打:2 打点:26 盗塁:0 打率:.219

安打数合計:276
本塁打合計:28
打点合計:127
盗塁合計:7
平均打率:.254

 このような下位打線だった。長野の成績が平均を押し上げてはいるが、数字だけ見ると優勝したシーズンの平均値を上回っている。とはいえ、亀井や小林は中盤以降成績を落とし、下位打線が仕事ができない場面が多かった。2018年の巨人は、1点差のゲームをモノにできないことが多かった(1点差ゲームは11勝23敗)が、下位打線の不調も影響したのだろう。

 また、今シーズンのこれまでの下位打線の成績は以下のとおり(2019年5月27日時点のもの)。

六番 ゲレーロ 38試合 安打:27 本塁打:8 打点:18 盗塁:1 打率:.227
七番 山本泰寛 32試合 安打:26 本塁打:1 打点:8 盗塁:2 打率:.283
八番 小林誠司 31試合 安打:21 本塁打:1 打点:7 盗塁:0 打率:.296

安打数合計:74
本塁打合計:10
打点合計:33
盗塁合計:3
平均打率:.262

 日替わり状態の下位打線だが、出場回数の多い3人の成績をまとめるとこのようになった。まだシーズンは3分の1ほどしか進んでいないが、このままだと最終的に2012年の平均値くらいになるのではないだろうか。過去の平均からすると、打率以外が正直物足りない。もちろん下位打線に起用された選手は攻撃よりも守備力が魅力ということもあるが、もう少し下位打線からでも得点が奪えるようにならないと、優勝は難しいのではないだろうか。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM

関連情報

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング