昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 鈴木啓示、158キロ
表紙は中日・江藤真一
今回は『1967年5月29日号』。定価は60円。
大洋の大物助っ人スチュアートがガールハントの名手は本当か、という記事があった。
アメリカ時代から「これと目を付けた女性は絶対逃がさない自信がある」と語っていたプレーボーイ。日本ではホテル住まいをしていたが、夜な夜な銀座の街に繰り出し、女性をお持ち帰りしているというウワサだった。
大洋・
三原脩監督も「あいつはホームランを打った翌日は、まったく元気がない。まさかホテルがホームラン賞に女性をあてがっているわけでもあるまいが」と珍しく下ネタトークをしていたが、何らかの報告が上がっていたのかもしれない。
直撃すると、本人は「ホテルは高いので、外に食事に行くだけ。ガスライト(当時はやっていた店らしい)のステーキが好きだが、ここは日本の女優さんがたくさんくるんだ。美人を眺めながらの食事は消化にいい」という返事だった。
既婚者だが、夫人とはいま離婚調停中。理由は前年秋、ドジャースの一員として来日の際、日本人女性との浮気がばれたためだったという。本人は「すべて解決したら日本人女性との結婚もいいね」と話していた。
パでは常勝南海が最下位に低迷していた。
5月には急きょコーチ陣の入れ替え。二軍から
柚木進、
森下整鎮コーチが一軍へ。一軍の
半田春夫が二軍へ、兼任だった
杉浦忠は選手に徹することになった。
また、近鉄の2年目、
鈴木啓示が8試合に投げ、6勝無敗。6完投、奪三振55、防御率1.68と好調だ。人物ストーリーもあったが、3歳のとき田んぼに三輪車で落ち、右腕のヒジ付近を複雑骨折、そこから左投げになったらしい。
面白かったのは、球速。秒速0.42秒、時速158キロとあったが、どう計ったのか。本当だったら、むちゃくちゃ速い。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM