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週べ60周年記念

長嶋茂雄に代打が出された!/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

村山実の血行障害


表紙は左から東映・水原茂監督、大杉勝男


 今回は『1967年6月19日号』。定価は60円。

 5月27日、中日戦(中日)、不振が続いていた巨人長嶋茂雄が9回二死で打席に向かう際、川上哲治監督に肩をポンとたたかれ、ひと声かけられると、口を真一文字にし、ベンチに戻った。
代打だ。故障などによる途中交代はあったが、体調万全で代打を出されたのは、プロ入り10年目で初めてだったという。
 投手は右のサイドハンドの小川健太郎、代打は左の森永勝也だった。

「打てないから仕方がない」と口数少なかった長嶋。川上監督は「疲れでバッティングの視野が狭くなっている。余裕を持たせる意味で代えた」と語っていた。

 長嶋は不振について、こんなふうに嘆いていた。
「俺は、明るいうちなら外野スタンドの一番後ろに立っている人の顔が見分けられるが、いまは、目の前のボールが見えないんだ」
 視力2.0、いや、それだけ見えたら4.0か。オスマン・サンコンさんクラスである。

 長嶋のライバル、阪神村山実も苦しみの中にあった。5月31日先発し、4回のマウンドに立ちながら1球も投げず、降板。藤本定義監督に「腕に力が入らない。投げられない」と告げた。右腕の血行障害だった。
 実際に病院でテストしてみたらしいが、右指の体温が投球前は34度だったのが、75球投げたら30度程度まで下がった。受けた捕手も測ったようだが、こちらはむしろ高くなる傾向にあったようだ。
 村山は、「投げるだけ投げて、それで腕は折れても悔いはないですよ」と言ってはいるが……。

 6月2日、不振が続く大洋・三原脩監督からの休養の申し出があり、中部兼吉オーナーが認めた。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM
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