広島では長野のDH起用が予想される
いよいよ6月4日からセ・パ交流戦が始まる。交流戦では、パ・リーグのチームの主催試合でのみ、セ・リーグのチームもDH(指名打者)を用いることができる。セ・リーグの各球団がDHに誰を起用するのかは交流戦の見どころの一つだ。そこで今回は、DHでの起用や活躍が期待されるセ・リーグの強打者を、球団ごとにピックアップしてみた。
※記事内の成績は2019年6月2日時点のもの 広島は長野の起用で打線を強化する可能性もある!?
広島がDHに起用する可能性が高いのが、まずは昨季もDH起用されていた
バティスタ。今シーズンも
鈴木誠也と並んでチーム1位の15本塁打を放つなど打線の中心を担っており、ここでDHに起用して攻撃に専念させることが考えられる。また、
松山竜平もDH候補の一人だが、バティスタをDHにした場合は、松山を代わりに一塁に起用する可能性が高いだろう。
長野久義もDH起用が考えられる選手の一人。今季は35試合に出場して74打数16安打打率.216と
巨人時代を考えると物足りない成績だが、時折、勝負強さを見せる。長打も期待できるためDHに起用すれば確実に打線が強化されるだろう。ほかには
安部友裕と併用するために
小窪哲也をDHにする可能性も考えられる。
阪神はベテランをDH起用するか中谷とマルテを共存させるか……
阪神は、
福留孝介をDHで起用するケースが考えられる。チームになくてはならない存在だけに、長いシーズンを戦うためにDHで守備負担を減らす、という可能性が高いだろう。ちなみに福留が今季規定打席をクリアすれば、「球団初の42歳以上の選手定打席到達」という記録を達成することになる。また、福留をDHにした場合は、
中谷将大をレフトで起用するのも考えられるケースだ。
その中谷をDHに起用する可能性もある。今シーズンは38試合に出場して打率は.205と物足りないが、5本塁打を放っており一発が期待できる。同じく5本塁打のマルテと共存させるために、中谷をDH、マルテを一塁で起用するというプランもなくはない。ほかには5月29日の巨人戦では代打でサヨナラ満塁ホームランを放った
高山俊も候補の一人だ。
巨人は一発のある助っ人を起用!?
DH候補に挙げられるのが
ゲレーロだ。今シーズンは42試合に出場して打率は.217と低いが、本塁打は8本とチーム上位の数字を残している。ただ、守備がやや心許ないため、ゲレーロをDHにして打つほうに専念させ、外野には
重信慎之介や
陽岱鋼といった攻撃と守備の両面で期待できる選手を起用すれば、攻守の両面で強化できるだろう。
ほかには、外野はゲレーロ、
丸佳浩、
亀井善行の3人で、陽をDHにするというケースも考えられるが、ゲレーロをDHにする可能性のほうが高いだろう。もう一人の助っ人外国人・
ビヤヌエバを一軍に再昇格しており、DHで起用する可能性もゼロではない。
平田が戻ってくればDH起用か!?
不動の四番である
ビシエドをDHにする可能性が高いが、肉離れで5月18日から戦列を離れていた
平田良介が順調に回復しており、交流戦開幕に間に合う可能性が高くなっている。そのため、まずはDHで平田を起用して守備の負担を減らすことも考えられる。平田が守っていたライトのポジションは現在、モヤが起用されているが、平田の調子が戻るまでは引き続きモヤが守ることになるだろう。
仮に平田が間に合わなかった場合は、上述のようにビシエドをDHにするか、
京田陽太か
堂上直倫をDHに起用して共存させるという可能性も考えられる。同じポジションのライバル同士を併用して切磋琢磨させることで、双方に良い効果が出るかもしれない。
DeNAは昨季と同じく筒香をDH起用するか
DHに起用される選手として挙げられるのが
筒香嘉智と
ソト。昨年の交流戦では、主に筒香をDHに起用して打つほうに専念させていたが、今シーズンはソトの守備が特に不安なため、どちらかといえばソトがDHになる可能性が高いだろう。その場合は、より守備力のある選手を起用すると思われる。筒香をDHにした場合も同様だ。
筒香やソト以外では、
宮崎敏郎も昨年の交流戦でDHに起用されたことがある選手。昨季は自己最多の28本塁打を放つなど好調だったが、今シーズンはいまいち調子が上がらない。ここでDH起用して、気持ちを変えるのも有効だろう。
ヤクルトはバレンティンのDH起用が濃厚!?
ヤクルトは昨季同様に
バレンティンをDHに起用する可能性が高いだろう。5月29日の広島戦(神宮)でも守備面を考慮してスタメンを外れており、守備機会のないDHに起用して打席に集中させれば、より良い結果が期待できる。バレンティンをDHにした場合は、
坂口智隆をレフトに起用すると思われる。
現状、バレンティン以外をDHで起用することは考えにくいが、別の可能性を探るとすれば、10代ながら四番を任され、チーム最多の14本塁打を放っている
村上宗隆のDH起用。一塁の守備も問題なくこなしているが、攻撃に専念させることでさらなる好結果を生む可能性がある。その場合、一塁にはシーズン序盤に務めていた
荒木貴裕や坂口を使うだろう。
各チームの「交流戦のDHでの活躍が期待される強打者」をピックアップしてみた。どの選手をDHにするかで攻撃力が大きく変わるので、どのチームも慎重に選ぶだろう。交流戦の開幕試合はすべてパ・リーグの本拠地で行われるため、早速DHの出番となる。セ・リーグの各チームが誰をDHに起用するのか注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM