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パ・リーグ6球団、2016年ドライチの現状は?

 

プロのユニフォームを着て3年が過ぎ、今年で4年目を迎えている。プロでも一定の経験を積んだと言えよう。2016年にドラフト1位で入団した選手たちの現状は果たして――。(記録は6月10日現在)。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 高卒4年目の今季、開幕前から2019年ドラフト1位の辰己涼介と開幕スタメンの座を争ったが、その座を射止めたのはオコエ瑠偉だった。そして開幕カードでは本塁打も放ってみせた。しかしその後は打率1割台からなかなか抜け出せず、5月17日を最後に安打から見放されていた。現在、一軍には辰己や小郷裕哉といったスピードのある若手選手が切磋琢磨している。6月10日に再調整のため登録抹消となったオコエ。一軍で勝負できる武器をファームで見つけなければならない。

千葉ロッテマリーンズ



 いまだに殻を突き破れずにいる。もって生まれた野球センスは誰もが認め、昨季は遊撃だけではなく外野挑戦でも新境地を開いた。だが、今季は再び遊撃のレギュラー奪取に挑んだものの、藤岡裕大のカベを越えることはできず。その藤岡がケガで離脱したチャンスも、ここまで生かすことができていない。バットは湿ったままで、遊撃の守備でも捕球・送球ともイージーなミスを連発。「打つことさえできれば、遊撃でも外野でもすぐにレギュラーが獲れる」と大きな期待を寄せている井口資仁監督の信頼をつかむには至っていない。

オリックス・バファローズ



 昨季、自身初のシーズン全出場を果たし、今季は四番として4年目のシーズンをスタートさせたが開幕から不振に。安打が出ずに一時は打率1割にも満たず。それでも徐々に復調し、自身初の3試合連続弾を放つなど本塁打は自己最速ペースの11本塁打。ただ、チーム全体のバットが湿り、40四球とマークが集まり、打率2割台後半を推移する状態が続く。さらに得点圏打率.234で打点は31と伸び悩み、掲げる目標「すべてのタイトル争いに加わる」から一歩後退。プロ入り初と言える“長期の不振”を経験している背番号34だが「真摯に自分と向き合うだけ」と、前を向き続けている。

埼玉西武ライオンズ



 3年目に大きな飛躍――。富士大から入団して1年目に7勝、2年目に5勝をマークしていた多和田真三郎は3年目の昨季、16勝を挙げて10年ぶりの優勝に貢献、最多賞のタイトルも獲得した。しかし、防御率は3.81と打線の援護によって勝利を積み重ねた面もあった。迎えた今季。菊池雄星がメジャー移籍し、名実ともにエースとしてのピッチングが期待されたが、ここまで9試合に投げて1勝のみで防御率は5.77。現在は二軍調整中だが、連覇を遂げるためには背番号18の力は必要なだけに一軍マウンドで再び躍動する日を待ちたい。

北海道日本ハムファイターズ



 入団3年目の昨シーズンに4勝をマークした上原健太。ここまで10試合に登板して1勝(3敗)と勝ち星こそ伸びてないが、オフのトレーニングの成果でパワーアップしたキレのあるボールは魅力十分。6回2失点で今季初勝利をマークした6月2日のオリックス戦(京セラドーム)でも最速147キロの真っすぐと、変化量が増したスライダーとフォークで相手打線を封じた。チームの先発左腕は現状で加藤貴之しかいないため、25歳のサウスポーにかかる首脳陣の期待は大きい。勝負の4年目、未完の大器の本格覚醒なるか。

福岡ソフトバンクホークス



 リベンジの時は来た。プロ4年目を迎えた高橋純平は今季、ここまで一軍で5試合に登板し、10イニング連続無失点。6月1日の楽天戦(ヤフオクドーム)では自己最速タイの154キロをマークしての見逃し三振など、奪った三振はイニング数を超える13個だ。3球団競合の末に入団するも、昨季までの登板は2年目の2017年の1試合のみだった右腕。昨季は1年間で4度のフォーム変更を行うなど、自分を見失い苦しんだ時期もあった。しかし、今は持ち味の直球の威力が戻り、打者一人ひとりとしっかりと対峙している。ここまではビハインドでの登板が続いているが、信頼を高めていけば、勝ち試合、さらには一軍初先発も見えてくる。強気な投球でチャンスをつかむ。

写真=BBM
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