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吉田輝星はどうなる!? 甲子園を沸かせた高卒新人の「本拠地初マウンド」の成績は?

 

6月12日の広島戦(札幌ドーム)で先発予定の日本ハム吉田輝星


 日本ハムの期待のルーキー・吉田輝星が、6月12日の本拠地・札幌ドームでの広島戦に登板する予定だ。大阪桐蔭高との決勝戦で敗れたものの、2018年の夏の甲子園を沸かせたヒーローだけに、どのようなピッチングを見せてくれるのか楽しみという人も多いだろう。では、吉田と同じように高校野球で活躍した高卒ルーキー投手の「本拠地での初登板」はどんなものだったのだろうか?

平成の甲子園で輝きを放ったルーキーたちの成績は?


 今回は、平成元年から平成30年までの期間に甲子園で活躍した高卒ルーキー投手の「本拠地初マウンドの成績」を調べてみた。※オープン戦登板を除く

新人時代の松坂大輔


●松坂大輔
本拠地初登板:1999年4月14日近鉄戦
西武 0-2 近鉄
投球回数:9回
投球数:155
被安打:3
被本塁打:0
奪三振数:7
与四死球:7
失点:2(自責点0)

結果⇒敗北

「平成の怪物」の本拠地初登板は、近鉄・小池秀郎との投げ合いの末に敗戦。4月7日に行われたプロ初先発の日本ハム戦では見事に初勝利を飾ったが、残念ながら連勝とはならなかった。9回を投げ切って自責点0はさすがの成績。だが、7四球となかなか制球が定まらない本拠地初登板となってしまった。

ダルビッシュ有
本拠地初登板:2005年6月15日 広島戦
日本ハム 8-2 広島
投球回数:8回0/3
投球数:116
被安打:9
被本塁打:2
奪三振数:3
与四死球:3
失点:2(自責点2)

結果⇒勝利

 現在はメジャーで活躍するダルビッシュ。日本ハムでの本拠地初登板は、この年初開催となった交流戦での広島戦だった。これがプロ初登板でもあったダルビッシュだが、8回終了まで無失点のピッチングを披露。9回に広島の新井貴浩野村謙二郎に連続本塁打を打たれて降板したが、うれしい初先発初勝利となった。

田中将大
本拠地初登板:2007年4月5日 日本ハム戦
楽天 1-3 日本ハム
投球回数:6回
投球数:106
被安打数:5
被本塁打:0
奪三振数:6
与四死球:4
失点:1(自責点0)

結果⇒勝ち負け付かず

 田中は3月29日に行われたソフトバンク戦(ビジター試合)でプロ初登板を経験し、4月5日の日本ハム戦で本拠地初登板を果たしている。試合では初回に1失点するものの、6回をその1点だけに抑える快投を披露。残念ながら勝ち負けは付かなかったが、6失点を喫したプロ初先発時の印象を覆す見事なピッチングだった。

新人時代の大谷翔平


●大谷翔平
本拠地初登板:2013年5月23日 ヤクルト
日本ハム 3-3 ヤクルト
投球回数:5回
投球数:86
被安打:6
被本塁打:0
奪三振数:2
与四死球:3
失点:2(自責点2)

結果⇒勝ち負け付かず

 二刀流で大きな注目を集めた大谷が、投手として初めて登板したのは2013年5月23日のヤクルト戦だ。2回に内野安打から、四球、レフトへの三塁打といった流れで失点するものの、後続をしっかりと断ち切って5回2失点。勝ち負けは付かなかったが上々のピッチングだった。ちなみに、大谷はこの試合で新人投手の初登板時の最速記録となる157キロのボールを投げている。

藤浪晋太郎
本拠地初登板:2013年4月14日 DeNA
阪神 4-0 DeNA
投球回数:6回
投球数:92
被安打:5
被本塁打:0
奪三振数:4
与四死球:1
失点:0(自責点0)

結果⇒勝利

 大谷と並ぶ注目ルーキーだった藤浪の本拠地デビューは4月14日のDeNA戦。6回を投げて相手打線を完封し、初勝利を収めた。この試合以前にも、開幕3戦目に早くもプロ初先発し、その後4月7日の広島戦でリリーフ登板するなど、ルーキー1年目から大車輪の活躍だった。

松井裕樹
本拠地初登板:2014年4月2日 オリックス
楽天 1-7 オリックス
投球回数:6回
投球数:112
被安打:5
被本塁打:0
奪三振数:6
与四死球:5
失点:3(自責点3)

結果⇒敗北

 現在は楽天の守護神を任されている松井の本拠地初登板は、2014年4月2日のオリックス戦だった。6回で112球を投げ3失点と粘りのピッチングだったが、攻撃陣が相手投手の岸田を攻略できず残念ながら黒星となってしまった。その後も9日の日本ハム戦、16日のソフトバンク戦に先発して連敗。高卒ルーキーが開幕から3連敗というのは初めてのことだった。

高卒新人初登板でノーヒットノーランを記録した近藤真一


高橋光成
本拠地初登板:2015年8月2日 ソフトバンク戦
西武 3-4 ソフトバンク
投球回数:3回0/3
投球数:72
被安打:5
被本塁打:0
奪三振数:1
与四死球:4
失点:4(自責点3)

結果⇒敗北

 夏の甲子園の胴上げ投手でもある高橋は、ルーキー1年目の8月2日に出場選手登録され、その日にさっそく本拠地でのプロ初先発を果たしている。結果は、3回を投げて4失点で降板。負け投手となってしまった。しかし、同月9日のオリックス戦では見事に勝利し、8月だけでなんと4勝を挙げることになった。高卒ルーキーの月間4勝は松坂以来の記録となった。

今井達也
本拠地初登板:2018年6月13日 ヤクルト戦
西武 7-4 ヤクルト
投球回数:6回
投球数:112
被安打:5
被本塁打:0
奪三振数:6
与四死球:2
失点:1(自責点0)

結果⇒勝利

 高橋と同じく夏の甲子園の胴上げ投手の今井は、入団2年目の2018年6月13日に本拠地でプロ初先発。6回を投げて1失点に抑える快投で、見事に初先発初勝利を飾った。西武の高卒ルーキーによる初先発初勝利は、松坂以来の記録(先発以外では2001年の帆足以来)となった。

 甲子園で活躍した後にプロ入りした高卒ルーキー投手の中から、ピックアップして成績をまとめてみた。このうち、本拠地初先発で勝利を収めたのは9人中3人だけ。それ以外は、勝ち負けが付かなかったか黒星を喫している。本拠地での熱狂的な応援は大きな力になるが、高卒ルーキーにとってはプレッシャーに感じるのかもしれない。

 時代をさかのぼってみると、1987年(昭和62年)には、高卒ルーキーだった中日の近藤真一(現在は近藤真市)が初先発でノーヒットノーランを達成するというとんでもない記録も出している。さすがにノーヒットノーランとまではいわないが、吉田がどのような好ピッチングを見せてくれるのか、12日の登板を楽しみに待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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