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注目の黄金ルーキーたちは交流戦でどんな成績を残したのか?

 

6月12日の広島戦(札幌ドーム)、5回4安打1失点でプロ初勝利を挙げた日本ハム吉田輝星


 セ・リーグとパ・リーグが激しくぶつかり合う交流戦。前年のドラフトで指名された注目のルーキーが、ここで初めて起用されて活躍する例も多い。今シーズンも、日本ハムの吉田輝星が交流戦で一軍での初マウンドに立ち、素晴らしいピッチングを見せ、プロ初勝利を挙げたが、過去の黄金ルーキーたちは初めての交流戦でどんな成績を残しているのだろうか?

名選手は初めての交流戦でもすごかった


 交流戦が始まった2005年〜2018年の期間を対象に、前年のドラフトで注目を集めた期待のルーキーたちの「1年目での交流戦の成績」をまとめてみた。

新人時代の涌井秀章


●涌井秀章(2005年交流戦)

出場試合:5試合1勝1敗
投球回:26.1
打者:114
被安打:23
与四球:10
与死球:2
三振:28
自責点:12
防御率:4.25

 西武を経て現在はロッテで活躍を見せている涌井は、開催初年度となった2005年交流戦で5試合に登板し1勝1敗という結果を残した。勝ち負けがつかない試合が続いたが、6月18日のヤクルト戦で6回1失点の好投を見せて初勝利を収めた。実はこれが待望のプロ初勝利でもあった。

新人時代のダルビッシュ有


●ダルビッシュ有(2005年交流戦)

出場試合:1試合1勝
投球回:8
打者:34
被安打:9
与四球:3
与死球:0
三振:3
自責点:2
防御率:2.25

 右ヒザの関節炎の影響で二軍スタートとなったダルビッシュは、6月に一軍に昇格。同月15日の広島戦で先発に起用され、これが一軍での初マウンドとなった。試合では8回を終えるまで見事なピッチングを披露。9回に2失点するも初登板でプロ初勝利を挙げた。

新人時代の田中将大


●田中将大(2007年交流戦)

出場試合:6試合3勝1敗
投球回:36.2
打者:162
被安打:35
与四球:16
与死球:2
三振:36
自責点:11
防御率:2.73

 シーズン開幕直後から積極的に起用されていた田中は、5月23日の試合で交流戦初先発。この試合は制球が定まらず2回で降板となったが、それ以降の試合では安定したピッチングを披露し、6月に入ると3勝1敗と大車輪の活躍を見せた。

新人時代の澤村拓一


●澤村拓一(2011年交流戦)

出場試合:5試合1勝2敗
投球回:35
打者:139
被安打:26
与四球:10
与死球:0
三振:33
自責点:9
防御率:2.31

 澤村は1年目の2011年交流戦で5試合に先発し、1勝2敗という成績だった。とはいえ、5試合中3試合が1失点の好投。残りの2試合も3失点と投球は安定しており、5月23日の西武戦ではプロ初完投も記録している。

新人時代の菅野智之


●菅野智之(2013年交流戦)

出場試合:5試合3勝0敗
投球回:39.1
打者:157
被安打:34
与四球:7
与死球:0
三振:37
自責点:9
防御率:2.07

 現在は巨人の不動のエースに成長した菅野だが、初の交流戦でも3勝を挙げる大活躍を見せている。5試合に登板して、すべての試合がクオリティスタートで、そのうち2試合で完投。1年目から新人とは思えない安定した投球を披露した。

新人時代の藤浪晋太郎


●藤浪晋太郎(2013年交流戦)

出場試合:4試合1勝1敗
投球回:22.1
打者:96
被安打:31
与四球:1
与死球:0
三振:18
自責点:9
防御率:3.78

 藤浪は交流戦で4試合に登板。交流戦初登板となった5月26日の日本ハム戦はけがからの復帰戦だったが、7回を1失点の好投で勝利を挙げている。この試合では、共に甲子園を沸かせたライバルの日ハム・大谷との対戦も注目され、大きな盛り上がりを見せた。

新人時代の大谷翔平


●大谷翔平(2013年交流戦)

出場試合:11試合(このうち3試合に登板して1勝0敗)
投球回:14
打者:64
被安打:14
与四球:8
与死球:2
三振:10
自責点:8
防御率:5.14

打数:30
安打:13
打点:2
四球:3
死球:0
三振:7
打率:.433

 入団1年目の交流戦で、大谷は11試合に出場。投手としては3試合に登板し、6月1日の中日戦でプロ初勝利を挙げたものの、「球速は速いが制球が定まらない」という苦しいピッチングが続いた。一方、打者としては9試合で打率.433と好成績を残している。一発は出なかったものの、投げるよりも打つ方がいいのではという印象の交流戦だった。

新人時代の松井裕樹


●松井裕樹(2014年交流戦)

出場試合:2試合0勝1敗
投球回:6
打者:29
被安打:4
与四球:6
与死球:0
三振:7
自責点:3
防御率:4.50

 開幕一軍スタートとなるも、なかなか結果が出ずに二軍落ちしていた松井は、交流戦真っただ中の6月6日に一軍復帰。翌7日の中日戦で中継ぎに起用され、交流戦初マウンドを踏むことになる。その後、6月19日の広島戦で先発を任されるが、4回途中までで3失点と結果が残せなかった。

新人時代の有原航平


●有原航平(2015年交流戦)

出場試合:3試合1勝1敗
投球回:14.2
打者:65
被安打:12
与四球:8
与死球:0
三振:9
自責点:7
防御率:4.43

 開幕二軍スタートながら5月に一軍登録された有原は、交流戦でも3試合に登板。交流戦初マウンドとなった5月31日の中日戦では、5回2失点の好投で初白星を上げた。続く6月9日の巨人戦でも好投するが残念ながら勝ち星は付かず。同月16日の阪神戦では3回4失点で負け投手になっている。

 入団1年目ながら交流戦で起用された黄金ルーキーたちの成績をまとめてみた。田中や菅野といった、後にチームの大黒柱となる選手が、1年目の交流戦から早くも結果を残しているのはさすがだ。

 もちろん、中田翔(日本ハム)、菊池雄星(当時西武、現マリナーズ)、森友哉(西武)といった、1年目には交流戦に出場していないものの、チームの大黒柱に成長した選手もいるが、やはり1年目からしっかりと結果を残すことが重要だといえる。

 交流戦はちょうど折り返しに差し掛かったところ。残りの試合で吉田輝星をはじめとするルーキーたちがどのような活躍を見せるのか注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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