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巨人が交流戦でセ・リーグ首位浮上のワケ

 

例年、ペナントレースの行方を大きく左右する交流戦で、順調に白星を伸ばしているのが巨人だ。ここでは“キーワード”をもとに、好調のワケをリポートする。
記録はすべて6月18日現在

KEYWORD 1 「捕手・炭谷の起用増」


交流戦に入り、先発マスクの機会が増えた炭谷


 6月16日の日本ハム戦(札幌ドーム)で、腰痛からの復帰2戦目に臨んだ先発の菅野智之が、初回に4連打を含む5安打を浴びるなど、3点を失った。流れは日本ハムへと傾いたが、本来の姿とは言えないものの「悪いなりに試合を作るのも一つの力」と、2回以降は1安打のみの粘りの投球を披露。スコアボードに6個のゼロを並べて嫌な流れを断つと、後続も残り2回を抑えて逆転勝利を収めた(7対3。菅野は7勝目)。

 0.5ゲーム差で先を行く広島が勝利したために、5月19日以来のセ首位再浮上とはならなかったが、チームは交流戦では開幕から4カード連続の勝ち越しで1位のソフトバンクにゲーム差なしの2位と肉薄。そして、6月18日のオリックス戦(東京ドーム)に勝ち、広島が敗れたため、ついに首位に立った。9勝13敗1分だった5月と比較し、6月は交流戦直前の中日戦の2勝を含めて11勝4敗とし、貯金(6月だけで7)を伸ばしている。

 好調の要因は原辰徳監督の決断にある。炭谷銀仁朗の先発起用増も、その一つだ。交流戦開幕前までは51試合中16試合の先発だったが、打撃の良い大城卓三の「五番・一塁」での出場が増えたこともあり、交流戦13試合中5試合で先発マスク(出場は8試合)をかぶる。

 昨年まで西武でプレーし、パの打者を熟知していることも起用を後押し。最たる例が菅野とのコンビだ。これまでエースの登板時は必ず小林誠司と組んでいたが、原監督はこの同学年コンビも迷わず解消。右腕の復帰となった6月9日のロッテ戦(東京ドーム)で2人は公式戦初バッテリーを組み、6回2失点と上々の内容を見せた。指揮官は試合後、炭谷に対し「小林もリード面において勉強しています。しかし、銀ちゃんのほうが1枚半上回っている」と信頼を口にしている。

 同16日の日本ハム戦でも菅野とバッテリーを組んだ炭谷は、初回の3失点後、すぐに会話を持ち、菅野のイメージが強いスライダー、カットボールではなく、カーブ、フォークを中心とした配球へ変更。「誠司と同じリードでは僕を使ってもらっている意味がない」とエースの新たな一面を引き出しつつ勝利につなげ、指揮官の起用に応えている。

KEYWORD 2 「投手陣再編」


桜井も交流戦がきっかけで先発へ配置転換となった一人だ


 交流戦突入とともに行われた投手陣の再編もポイントだろう。特に先発ではペナント開幕時点と顔ぶれが大きく変わった。中でも田口麗斗桜井俊貴は中継ぎでの好投が認められての配置換え。その後、田口は不安定さを露呈して登録抹消となったが、一方の桜井は2戦2勝。先発転向2試合は炭谷とバッテリーを組み、6月13日の西武戦(メットライフ)では、7回1失点と強力な西武打線を寄せ付けず。原監督も「前回登板よりさらに上がったような、いい投球でした」と絶賛した。

 リリーフ陣ではR.クックの離脱に伴い、「クローザーは全員でカバー」としていたものの、4年目左腕の中川皓太が開幕からの16戦連続無失点と好投を続けると、多くの場面で9回を任せるようになる(8セーブ)。

 炭谷の起用増しかり、桜井の配置換えしかり、「チームを動かしていく上で、判断の遅れが最大の悪手」と話す指揮官の、“ココ”というタイミングを逸しない決断が光っている。

KEYWORD 3 「得点力を増した打線」


守備には課題が残るものの、“攻・走”にアグレッシブなプレーを見せる若林


 交流戦13試合で67得点(1試合平均5.15点)は、同80得点の西武に次いで2位。交流戦開幕前時点で51試合251得点(1試合平均4.91点)だから、さらに得点力を増している。

 二番・坂本勇人、三番・丸佳浩、四番・岡本和真と3人の“中軸”はペナント開幕からほぼ不動で、現在は万全の状態ではないものの、それでも仕事を果たしているのは、冒頭のエース・菅野と同様で、経験の成せる業だ。

 出塁率.432で切り込み隊長役を担った吉川尚輝の腰痛離脱後、一番が固定できずにいたが、長打力のある器用なベテラン・亀井善行で指揮官の心は固まった。交流戦開幕後、亀井は2本塁打を放つなど期待に応えており、欠くことのできない存在となっている。

 また、捕手・大城の打撃を生かすために「五番・一塁」で起用したこともヒット。DH制では六番に阿部慎之助を配するなど重量打線は相手の脅威だ。

 吉川尚離脱後、こちらも日替わりだった二塁は原監督が「スイングにキレ味がある」と絶賛する若林晃弘で落ち着いた。守備にはやや不安を残すものの、6月1日に二軍から昇格後、打率4割超に2本塁打で下位打線のアクセントに。4月に山本泰寛が二軍から昇格直後に安打を量産したこともあったが、原監督体制となって一、二軍の連携が強化され、一軍と同じ方針で二軍も高田誠監督の下、“攻撃野球”を徹底していることで、昇格後、すぐの活躍につながっている。

 左翼にも同じく二軍昇格組の重信慎之介が台頭し、控えには実績のある陽岱鋼らが控えるなど、メンバーが固まりつつあるのも強み。交流戦チーム打率.273も西武に次いで2位で、打線を軸に、原監督3度目の交流戦優勝を目指す。

写真=BBM

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